Nel Blu Dipinto Di Blu (Volare)
- 作曲: MODUGNO DOMENICO

Nel Blu Dipinto Di Blu (Volare) - 楽譜サンプル
Nel Blu Dipinto Di Blu (Volare)|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Nel Blu Dipinto Di Blu(通称:Volare)」は、イタリアの歌手・作曲家ドメニコ・モドゥーニョ(Domenico Modugno)が作曲し、フランコ・ミリアッチ(Franco Migliacci)が作詞した1958年の楽曲。イタリア語で歌われるカンツォーネ/ポップの代表曲で、タイトルは「青に塗られた青の中で」を意味します。明快なメロディと高揚感あるサビで国境を越えて知られ、現在も“Volare”の通称で広く認知されています。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、深い青に包まれた空へ舞い上がるような陶酔と、愛によって解き放たれる自由の感覚を、夢と現実が交錯するイメージで描きます。自己を「青く塗られた」存在として示す比喩は、日常からの解放と自己超越の願望を象徴。印象的な掛け声とシンプルな語彙の反復が聴き手の身体性を喚起し、歌うこと=自由に飛ぶことという等式を自然に体験させます。叙情は具体的な物語よりも感覚表現に重点が置かれ、普遍的な高揚感へと収斂します。
歴史的背景
本曲は1958年のサンレモ音楽祭で優勝し、同年のユーロビジョン・ソング・コンテストにイタリア代表として出場(結果は3位)。それを契機に国際的ヒットとなり、アメリカではビルボード・ホット100で1位を獲得。さらに1959年の第1回グラミー賞で「レコード・オブ・ザ・イヤー」と「ソング・オブ・ザ・イヤー」の二冠に輝き、非英語圏ポップの到達点として歴史に刻まれました。戦後欧州の楽観と新時代の大衆音楽の力を象徴する存在です。
有名な演奏・映画での使用
決定版はドメニコ・モドゥーニョ本人による録音。英語圏ではディーン・マーティンのカバーが広く親しまれ、1989年にはジプシー・キングスがルンバ・フラメンカ風に大胆アレンジして再ヒットさせ、世代を超える定番となりました。ほか多くの歌手・バンドが取り上げ、ジャズ寄りの解釈やダンス・ミックスも存在します。映画での代表的な使用作品名は情報不明ですが、国際的に多数の映像作品・CMで用いられてきました。
現代における評価と影響
“Volare”という覚えやすいキーワードと、上昇感のある旋律は、ライブや祝祭空間でのコール&レスポンスと相性抜群。世界各地でのカバー、配信プラットフォームでの継続的な再生により、20世紀ポップ史のエバーグリーンとして評価が定着しています。イタリア語曲の国際ヒットの先鞭をつけた功績は大きく、言語を超えて届くメロディの強度と、普遍的感情を喚起する歌詞表現は、現在のグローバル・ポップの土台の一つと見なされています。
まとめ
「Nel Blu Dipinto Di Blu(Volare)」は、詩的イメージと高揚するメロディが結びついた20世紀ポップの金字塔。1958年の誕生から今日まで、無数のカバーと受賞歴、国際的支持に裏打ちされた価値は揺るぎません。自由への憧憬と喜びを、言葉の壁を越えて伝えるこの曲は、時代が変わっても歌い継がれる普遍のスタンダードです。