Sapore di sale
- 作曲: PAOLI GINO
#カンツォーネ

Sapore di sale - 楽譜サンプル
Sapore di sale|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Sapore di sale」は、イタリアのカンタウトーレ、ジーノ・パオリが1963年に発表。作曲・作詞は本人Gino Paoli、編曲はエンニオ・モリコーネ。テナーサックスのガトー・バルビエリが印象的なソロを聴かせる。言語はイタリア語、ジャンルはカンツォーネ。代表曲として広く知られる。
歌詞のテーマと意味
歌詞は「塩の味」「海風」「波」といった感覚的イメージで、夏の海辺に芽生えた恋の甘さとほろ苦さを描く。直截な告白よりも、味や匂いの記憶で関係の儚さを示すのが特徴。反復するフレーズ運びが波の往還を思わせ、情熱と距離感の両方を残す。
歴史的背景
1960年代初頭のイタリアでは、伝統的カンツォーネがジャズやボサノヴァの影響を吸収していた。モリコーネの洗練されたオーケストレーションと、バルビエリのジャズ・サックスはその潮流を体現。穏やかなリズムと都会的ハーモニーが地中海の開放感とモダンさを両立させた。
有名な演奏・映画での使用
決定版はパオリのオリジナル録音。以降のコンサートやテレビ出演でも繰り返し歌われ、編成やテンポを変えたセルフカバーも行われた。多くの歌手やジャズ奏者によるカバーが存在するが、映画での具体的な使用作品名は情報不明。
現代における評価と影響
本曲はイタリアン・ポップの古典として高評価を維持し、夏のプレイリストやカフェ音楽の定番。凝縮された詩情とジャズ寄りの編曲が世代を超えて色褪せない。カンタウトーレ像の確立にも寄与し、作家性重視のポップへ影響を与えたとされる。
まとめ
海の感覚を通して恋を描くコンセプト、モリコーネの洒脱なサウンド、バルビエリの官能的サックスが融合し、時代と地域を超える普遍性を獲得。個人的な記憶を普遍的感情へと昇華した名曲として、今なお新しい聴き手に発見され続けている。