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Body And Soul verse付き

  • 作曲: GREEN JOHNNY JOHN W
#スタンダードジャズ
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Body And Soul verse付き - 楽譜サンプル

Body And Soul verse付き|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Body And Soul は、作曲家ジョニー・グリーン(Johnny Green)による1930年の名曲で、作詞はEdward Heyman、Robert Sour、Frank Eyton。ジャズにおける最重要バラードの一つで、歌詞付き・インスト双方で広く演奏される。「ヴァース付き」とは、本編(コーラス)の前に置かれる舞台的な前奏部分=ヴァースを含めて演奏・言及する形態を指す。多くのレコーディングでは時間や構成の都合でヴァースが省略されるが、歌手や伝統志向の編曲では採用例がある。初演者や初録音の詳細は情報不明だが、1930年代からポピュラー/ジャズ両領域で定番化した。

音楽的特徴と演奏スタイル

コーラスは32小節AABA形式。半音階的な和声進行と豊富なツー・ファイブ、裏コード、借用和音が連鎖し、旋律も広い音域をたどる。ヴァースは自由なテンポで語りかけるように始まり、溜めを効かせて本編へ導くのが典型。テンポはスローバラードが基本で、4/4スイングに乗せて間合いを重視する。器楽演奏ではダブルタイム・フィールやテンション置換、クロマチック・アプローチを織り交ぜ、歌唱ではブレス位置と語尾処理が表現の肝となる。エンディングでヴァース動機を回収する編曲も効果的とされる。

歴史的背景

1930年に発表され、レビュー作品で取り上げられたのを機に人気を獲得。レコードとラジオの普及とともに広く知られるようになり、スウィング期に大スタンダードへ成長した。ビバップ以降は高度な和声処理の土台として再評価され、バラード即興の教科書的存在に。放送向け尺の制約からヴァースが省略される慣行が生まれた一方、コンサートやアルバムではドラマ性を高める目的で復活させる例も継続している。舞台起源のヴァースとジャズ的即興の両立が、この曲の歴史を通じた個性となった。

有名な演奏・録音

テナーサックスのコールマン・ホーキンスによる1939年録音は、バラード即興の金字塔として知られる。歌唱ではビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、フランク・シナトラらの名演が定番。モダン期ではジョン・コルトレーン、スタン・ゲッツ、デクスター・ゴードン、キース・ジャレットなど、多様な解釈が生まれた。2011年にはトニー・ベネットとエイミー・ワインハウスのデュエットが発表され、彼女の最晩年の録音として広く知られている。各演奏でヴァースの有無や扱いが異なる点も聴きどころだ。

現代における評価と影響

現在もジャム・セッションや音楽教育の場で標準レパートリー。和声の密度、旋律の起伏、フレージングの難度が高く、基礎から上級まで幅広い学習素材になる。歌手の間ではヴァースを取り入れて物語性を強める試みが続き、配信や映像時代にも長尺バラードの表現力が再認識されている。世代や楽器を越えて参照される解釈が蓄積され、アレンジ面でもオーケストラから小編成まで適応範囲が広い点が評価される。

まとめ

Body And Soul は、バラード表現と高度な和声運用を学べる最重要スタンダードであり、ヴァース付きの形は舞台起源のドラマ性を前面化する。歴史的名演の系譜により解釈の選択肢は豊富で、歌・器楽ともに表現の自由度が高い。ヴァースの採否やテンポ設定、ハーモニー処理を意識的に設計することで、時代を超える魅力が一層引き立つだろう。