あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

If I Should Lose You verse付き

  • 作曲: SCHERTZINGER VICTOR
#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

If I Should Lose You verse付き - 楽譜サンプル

If I Should Lose You verse付き|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「If I Should Lose You」は英語詞のポピュラー・ソングとして広まり、現在はジャズ・スタンダードとして定着している。一般にはRalph Rainger作曲、Leo Robin作詞、1936年発表として知られる。一方で、本ページのメタデータにある作曲者表記“Schertzinger Victor”と本曲の関係は情報不明。ここでいう“verse付き”とは、コーラス(本編)前に置かれる前歌=ヴァースを含む原典的構成を示す。ヴォーカル曲として成立しつつ、器楽演奏でも高い人気を獲得している。

音楽的特徴と演奏スタイル

主部は32小節のAABA型が通例。旋律は短調の陰影と長調へのほのかな移ろいを併せ持ち、II–V進行や副次ドミナントが滑らかに連鎖する。ヴァースは自由テンポで語るように始まり、コーラスでイン・テンポへ移行するのが定石。テンポはバラードからミディアム・スウィング、ボサ・ノヴァ解釈まで幅広い。アドリブではガイドトーンの連結や内声の半音進行を意識すると、和声の流れと楽曲の情感を両立しやすい。

歴史的背景

1930年代のハリウッド由来のポピュラー曲として認知が広がり、戦後のビバップ期以降に器楽奏者がこぞって取り上げたことで標準曲化した。初出映画や舞台の特定情報は資料により差異があり、確定的な一次情報は情報不明。とはいえ、哀感のある旋律線と汎用的な和声語法がレパートリーとして受け入れられ、歌とインストゥルメンタルの双方で普及していった。

有名な演奏・録音

代表例としてCharlie Parker with Stringsの端正なバラード解釈が広く知られる。ギタリストのGrant Greenによるブルーノート録音、ヴォーカルではSarah VaughanやNina Simoneらの歌唱も高評価を得ている。編成は小編成コンボからストリングス入りまで多彩。映画やドラマでの顕著な使用例は情報不明。

現代における評価と影響

リハーモナイズの余地が大きく、音楽教育の現場やジャム・セッションでも定番教材として扱われる。ヴァースを復権させるヴォーカリストも増え、物語性を重視する上演が目立つ。リードシートや配信プラットフォームでの露出も安定しており、検索需要が継続的に存在する。

まとめ

「If I Should Lose You」は、歌と器楽の双方に映える旋律美と柔軟な和声を備えた普遍的レパートリーである。ヴァース付きで取り組むことで、導入部から本編へつながるドラマ性が増し、演奏の深みが一段と引き立つ。初学者から上級者まで長期にわたり探究できる一曲と言える。