Nightingale Sang In Berkeley Square verse付き
- 作曲: SHERWIN MANNING

Nightingale Sang In Berkeley Square verse付き - 楽譜サンプル
Nightingale Sang In Berkeley Square verse付き|楽曲の特徴と歴史
基本情報
英国発のポピュラー曲にして現在は定番のジャズ・スタンダード。作曲はクレジット上SHERWIN MANNING(一般的表記:Manning Sherwin)、作詞Eric Maschwitz(筆名Holt Marvell)。1939年、ロンドンのレビューNew Facesのために書かれた。“verse付き”は導入節を含む版を指す。
音楽的特徴と演奏スタイル
穏やかなバラードで、導入ヴァースの後にAABA型32小節が続く。息長い旋律と柔らかな和声進行が魅力。ジャズではヴァースをルバート、本編はスウィングやボサに移す解釈が多く、ダイナミクス設計が鍵となる。歌詞の情景に合わせてフレージングを緩急させると効果的だ。
歴史的背景
発表は1939年。ロンドンのメイフェア、バークレー・スクエアを舞台にしたロマンティックな情景詩で、夜鳴き鶯は詩的象徴として扱われる。英国で人気を得て米国にも波及し、戦時下の慰撫歌として親しまれた。都市の夜を優雅に描きつつ、希望の気配をさりげなく漂わせる点が支持を集めた。
有名な演奏・録音
初期はVera Lynnの歌唱、ビッグバンドではGlenn Miller楽団が知られる。Frank Sinatraは1962年のロンドン録音で歌を残した。The Manhattan Transferのアカペラ版(編曲:Gene Puerling)はグラミーのヴォーカル・アレンジメント賞を受賞。多様なキーやテンポで解釈され、編曲の自由度が高い。
現代における評価と影響
今日もジャズ・ヴォーカルや室内編成の定番。歴史的演奏に倣いヴァースを省かず物語性を重視する上演が増加。映画・ドラマでの使用は情報不明だが、ロンドンを想起させる選曲として重宝される。教育現場でもレガートやブレス設計の教材として扱われることが多い。
まとめ
詩情豊かな旋律と英国的な品格が光る名曲。ヴァース付きは導入の情感を丁寧に描け、歌い手と編曲者の表現幅を広げる。時と編成を超えて歌い継がれるスタンダードであり、ロンドンの風景を想像させる物語性が普遍的な魅力を保ち続けている。