あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

On The Sunny Side Of The Street verse付き

  • 作曲: MC HUGH JIMMY
#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

On The Sunny Side Of The Street verse付き - 楽譜サンプル

On The Sunny Side Of The Street verse付き|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Jimmy McHugh作曲、Dorothy Fields作詞の1930年作。ブロードウェイのレビュー『Lew Leslie’s International Revue』で初演されたAABA型32小節のスタンダードです。導入の“ヴァース”が状況を示し、リフレインで希望へ向かう流れを作ります。多くの録音でヴァースは省略されますが、「verse付き」は意図を鮮明にします。

音楽的特徴と演奏スタイル

中庸のスウィングで演奏されることが多く、ウォーキング・ベースと軽いシンコペーションが要。覚えやすい旋律に対し、和声はリハーモナイズの余地が広いのも魅力。歌唱はヴァースの語りとリフレインの高揚の対比が映え、器楽ではソロやトレーディングが定番です。ヴァースから入る編成では、語り口のダイナミクス設計が肝となります。

歴史的背景

大恐慌期に生まれた楽曲ながら、悲観を払い希望へ歩む比喩で支持を得ました。舞台ではヴァースが欠かせませんでしたが、ダンス・バンド時代の録音では放送枠の都合や実用性から省略が一般化し、舞台版とポップ録音で構成の慣習が分かれます。結果として、今日のセッションではヴァース省略版が主流になりました。

有名な演奏・録音

名演にはルイ・アームストロングのスウィング感あふれるテイク、エラ・フィッツジェラルドの柔らかな歌唱、フランク・シナトラの洒脱な解釈が定番。器楽ではジャンゴ・ラインハルトやアート・テイタムの名演が知られます。ビッグバンドから小編成まで幅広く録音され、後年のアルバムやライヴでヴァースを復活させた例もあります。

現代における評価と影響

教育やジャムの定番曲として、キーやテンポの可塑性とソロ構築の自由度が評価されています。歌手にとっては、ヴァースからリフレインへ導くドラマ設計や語りのニュアンス作りを学べる教材。映像や舞台での引用例は見られるものの、個別作品の網羅的な出現情報は情報不明です。

まとめ

明快なメロディと前向きなメッセージ、そしてヴァースを含む二層構造が長く愛される理由です。省略されがちな導入部まで丁寧に扱うことで、情景と説得力は一段と増します。入門曲としても、表現を磨く上級者の素材としても活躍する、時代を超えるジャズ・スタンダードです。