アーティスト情報なし
Dolores
- 作曲: SHORTER WAYNE

Dolores - 楽譜サンプル
Dolores|楽曲の特徴と歴史
基本情報
作曲はウェイン・ショーター(表記: SHORTER WAYNE)。初録音はマイルス・デイヴィス・クインテットのアルバム『Miles Smiles』で、録音は1966年、発売は1967年。インストゥルメンタル作品で歌詞は存在しません。編成はトランペット、テナーサックス、ピアノ、ベース、ドラムス。ジャンルはポスト・バップに位置づけられます。作詞者および出版年は情報不明。タイトルの由来や命名の背景についても公的資料は情報不明です。
音楽的特徴と演奏スタイル
快活なテンポと鋭いフレーズが印象的なテーマを持ち、メロディは跳躍とシンコペーションで推進力を生む。和声は機能和声に縛られず、モーダルな響きやオープンなボイシングが多用され、ソロは動機の変形と呼応で展開されます。リズム・セクションは拍節感を柔軟に揺らしつつ“time, no changes”的に支え、トニー・ウィリアムスの大胆なシンコペーション、ロン・カーターのリニアなライン、ハービー・ハンコックの間合いとヴォイシングが相互作用を高めます。ホーン陣はテーマの断片化やリズムの前後で会話的に応酬し、即興全体が有機的に流れる設計です。
歴史的背景
本曲は、1960年代半ばのマイルス第二期クインテットが推し進めた、フォームの自由化と相互作用重視の美学を体現。ハードバップの定型から意図的に距離を置き、テーマと即興の境界を曖昧にするアプローチが際立ちます。ショーターは同時期に先鋭的な楽曲を多数提供しており、「Dolores」もその文脈で理解されます。『Miles Smiles』期の録音は、楽曲ごとの明確なコード進行よりも、アンサンブルの瞬発力とモチーフの展開を重視する方向性を強め、以後のポスト・バップやモーダル以降の語法に大きな示唆を与えました。
有名な演奏・録音
代表的録音は『Miles Smiles』(Columbia)。マイルス・デイヴィス、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスによるスタジオ・テイクが基準点です。同作の再発やリマスター盤でも高音質で聴取可能。商業録音における他アーティストの網羅的カバー情報は情報不明ですが、本曲の語法は第二期クインテット関連の研究やプレイアロング資料で参照されることがあります(詳細出典は情報不明)。
現代における評価と影響
「Dolores」は「Footprints」ほど頻繁に演奏されないものの、第二期クインテットの語法を理解するうえで示唆に富む楽曲として、分析・研究の題材となっています。曲構造の開放性、拍感の柔軟さ、動機処理の巧みさは、現代ジャズの作編曲やコンボのアンサンブル運用にも通底。教育現場やワークショップで、ソロのモチーフ開発、リズム・セクションの相互作用、ハーモニーの省略と暗示の手法を学ぶ際の好例として引用されることがあります(体系的な利用実績は情報不明)。
まとめ
ショーターの鋭い作曲感覚と、クインテットの先鋭的インタープレイが結晶した一曲。短いテーマから豊かな展開を引き出す設計は、ポスト・バップ以降の美学を端的に示します。初録音や基本的属性は確定情報に基づき、作詞者や出版年、包括的なカバー歴など不詳点は情報不明として明記しました。