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You'd Be So Nice To Come Home To verse付き

  • 作曲: PORTER COLE
#スタンダードジャズ
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You'd Be So Nice To Come Home To verse付き - 楽譜サンプル

You'd Be So Nice To Come Home To verse付き|楽曲の特徴と歴史

基本情報

コール・ポーター作のスタンダード。「You'd Be So Nice To Come Home To」は、1943年公開の映画Something to Shout Aboutのために書かれ、のちにジャズで定番化。verse(前口上)を備え、通常はAABAの32小節リフレインへ続く構成が特徴だ。タイトルが示す通り、帰り着く場所に“あなた”がいる幸福を願うロマンティックな内容で、多くのボーカルが取り上げてきた。

音楽的特徴と演奏スタイル

主題は短調に置かれることが多く、ii–V進行と半音階的な内声が洒脱な緊張感を生む。ブリッジでは調性が明るく転じ、再度主題へ回帰。verseは語り口で自由に、リフレインはミディアム〜アップのスウィング、バラード、ボッサなど多様なテンポで演奏される。メロディは音域と跳躍が程よく、アドリブではガイドトーンと転調点の把握が鍵となる。

歴史的背景

本曲は映画挿入歌として発表され、アカデミー賞歌曲賞にノミネート。映画の枠を超えて広まり、戦後のクラブ・シーンでも人気を保った。出版やチャート成績の細部、劇中での初演者の確定情報は情報不明だが、作品そのものの完成度と歌詞の普遍性が評価され、アメリカン・ソングブックを代表するレパートリーの一つとなった。

有名な演奏・録音

代表的録音として、ヘレン・メリル(クリフォード・ブラウン参加)のスウィンギーな名唱、チェット・ベイカーの端正な歌とトランペットによる解釈が広く知られる。ピアノ・トリオやギター・デュオ編成でも好まれ、インストゥルメンタル名演は枚挙にいとまがない。各種教則本やレパートリー集にも多く掲載され、定番として位置づけられている。

現代における評価と影響

ジャム・セッションの常備曲として教育現場でも扱われ、機能和声と旋律美を両立する教材として重宝される。省略されがちなverseをあえて置くアレンジが近年増え、物語性ある構成で聴衆を引き込む工夫が進む。ボーカルは歌詞の語感を活かし、器楽はリズムの推進力で魅せるなど、多面的なアプローチが支持を集めている。

まとめ

映画発の名曲であり、洗練された和声と覚えやすい旋律、そしてverseからリフレインへ滑らかに移る劇的構成が魅力。ボーカルにもインストにも開かれ、テンポや質感の自由度も高い。時代を超えた普遍性を備えた本作は、今後も演奏現場と録音の双方で生き続けるスタンダードとして愛されるだろう。