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You Took Advantage Of Me verse付き

  • 作曲: RODGERS RICHARD
#スタンダードジャズ
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You Took Advantage Of Me verse付き - 楽譜サンプル

You Took Advantage Of Me verse付き|楽曲の特徴と歴史

基本情報

本曲はRichard Rodgers作曲、Lorenz Hart作詞による1928年のブロードウェイ・ミュージカルPresent Armsのために書かれたショー・チューン。現在はジャズ・スタンダードとして広く演奏される。verse付きの版では、導入部(ヴァース)が物語的な前置きを与え、その後に耳なじみのあるリフレインへ入る。一般に4/4拍子、32小節AABA形式で扱われることが多い。

音楽的特徴と演奏スタイル

メロディは軽妙で跳躍と順次進行を巧みに織り交ぜ、ハーモニーはセカンダリー・ドミナントや循環的な進行が要所を引き締める。ヴァースはテンポを抑え語りかけるように、リフレインはスウィング感を前面に出す解釈が定番。ヴォーカルは歌詞の機知を活かしたフレージングが鍵で、インストでは2コーラス目以降のアドリブで和声の色合いを引き出す演奏が好まれる。

歴史的背景

1920年代末はダンス・バンドとブロードウェイが大衆音楽を牽引した時代で、ロジャース&ハートのコンビは都会的ユーモアとエレガンスで人気を博した。本曲も舞台発のポピュラー・ソングとして広まったのち、スウィング時代を経てセッション・レパートリーへ定着。戦後のジャズ録音で再評価され、米国歌謡の標準曲集の一角となった。

有名な演奏・録音

有名な録音としては、エラ・フィッツジェラルドが『Ella Fitzgerald Sings the Rodgers & Hart Song Book』で取り上げ、洗練されたスウィングで決定版の一つと目される。ほかにも多数のヴォーカリストと小編成コンボが録音を残し、テンポやアレンジの幅広さが本曲の懐の深さを示している。個別の映画使用は情報不明。

現代における評価と影響

今日では、ヴァースから始めて物語性を強めるアプローチや、リフレインのみを取り出してテンポ・アップする手法など、場面に応じた使い分けが一般的。ジャズ教育の現場でも、AABA形式での構成力や、コード置換の学習素材として活躍する。クラブ・シーンや配信ライブでも取り上げられ、世代を超えて息の長い支持を得ている。

まとめ

舞台由来の洗練とジャズの即興性を併せ持つ本曲は、ヴァースの有無で表情が大きく変わるのが特徴だ。歌でもインストでも映える骨格の強さがあり、歴史的背景を踏まえて解釈すれば、現代のステージでも鮮度の高い物語性を引き出せる。スタンダード入門にも、深掘りにも応える一曲と言える。