Time After Time verce verse付き
- 作曲: STYNE JULE

Time After Time verce verse付き - 楽譜サンプル
Time After Time verce verse付き|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Time After Time」は、作曲家Jule Styneと作詞家Sammy Cahnによる1947年の楽曲。映画『It Happened in Brooklyn』でフランク・シナトラが歌い、以後ジャズ・スタンダードとして定着した。ここで言う“verce verse付き(ヴァース付き)”とは、本編のリフレイン(AABAの本体)に先行して語り口調で情景を描く導入歌詞(ヴァース)が存在することを指す。原題、初演編成、初出時の公式キーは情報不明。歌詞の全文は割愛するが、恋人への揺るぎない想いを時間を超えて誓う内容で、ロマンティシズムと余情を兼ね備えたテキストが魅力である。
音楽的特徴と演奏スタイル
本体は32小節AABA形式が基本。メロディは穏やかな順次進行を核に、要所で跳躍を配して感情の高まりを描く。和声はセカンダリー・ドミナントや循環進行を活用し、終止感を丁寧に作るクラシカルな作り。ヴァースは自由度が高く、バラードでルバート気味に語るように始め、リフレインでテンポに乗る流れが定番。テンポはスローバラードからミディアム・スイングまで幅広い。ボーカルはレガートのフレージング、語尾のディクション、長いサステインのコントロールが要。器楽演奏では主旋律の歌心を尊重し、過度な再ハーモナイズは避けるのが成功しやすい。
歴史的背景
第二次世界大戦後のハリウッド黄金期、スタジオ・ミュージカルの隆盛の中で誕生した一曲。Jule StyneとSammy Cahnは映画音楽の名コンビとして多数のヒットを生み、本作もその流れに位置づけられる。映画での披露を機に、ダンスバンドやラジオ番組のレパートリーへ広がり、やがて酒場やクラブの現場で“語り、歌う”バラードとして愛好され、アメリカン・ソングブックの重要曲として定着していった。
有名な演奏・録音
映画『It Happened in Brooklyn』(1947年)でのフランク・シナトラの歌唱がよく知られる。その後も多くの歌手・ジャズ・コンボが録音を残しているが、網羅的なディスコグラフィーは情報不明。ステージでは、ヴァースから入る完全版と、リフレインのみで演奏する短縮版の両方が用いられる。映画以外の具体的な使用例・受賞歴などの詳細は情報不明。
現代における評価と影響
今日でもボーカルの定番教材・オーディション曲として取り上げられ、歌詞と旋律の親和性、ヴァースの表現力が試される“語りのバラード”として評価が高い。セッションではバラード設定が多く、ピアノ・トリオの繊細な伴奏との相性が良い。同名異曲(1980年代のポップ・ヒット)との混同を避けるため、作曲者名で区別されることも多い。
まとめ
「Time After Time verce verse付き」は、ヴァースが物語を導き、AABAの本体で感情を結晶化させる構造美が光るジャズ・スタンダード。1947年の映画発の名曲として歴史的背景も明確で、今日まで幅広く歌い継がれている。演奏時はヴァースの扱いとテンポ設定が鍵となり、歌詞内容の解像度を高めることで作品の魅力が一層際立つ。