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A Sleepin Bee verse付き

  • 作曲: ARLEN HAROLD
#スタンダードジャズ
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A Sleepin Bee verse付き - 楽譜サンプル

A Sleepin Bee verse付き|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Harold Arlen作曲、Truman Capote作詞の「A Sleepin' Bee」は、1954年のブロードウェイ作品『House of Flowers』の楽曲。「verse付き」はコーラス前の導入部=ヴァースを含む版を指す。多くの録音でヴァースは省かれるため、その有無は解釈の違いを示す。

音楽的特徴と演奏スタイル

ヴァースは自由なテンポで語り、続くコーラスで拍感が安定する二部構成。豊かな和声としなやかな旋律が特色で、バラードからミディアムまで幅広く演奏される。歌唱は言葉運びとブレス、器楽は内声処理と滑らかなボイスリーディングが鍵。ヴァース付きは物語性を高め、曲全体の起伏を設計しやすい。

歴史的背景

本曲は『House of Flowers』(1954)に書き下ろされ、その後にジャズ・スタンダードとして独立。Arlenの舞台/映画由来の名曲群の系譜にあり、抒情と洗練を兼備する。舞台初演での具体的な歌い手は情報不明だが、物語性を担う抒情歌として用いられた。ヴァースは舞台文脈を伝える役割を持ち、録音ではしばしば省略される。

有名な演奏・録音

有名例ではBarbra Streisandがデビュー作The Barbra Streisand Album(1963)で録音。早期のテレビ出演でも取り上げ注目を集めた。ジャズ界ではヴァース省略版とヴァース付き版が並行して録音され、編曲意図に応じた多彩な解釈が聴ける。映画での顕著な使用は情報不明。

現代における評価と影響

現在もリサイタルやジャズ・クラブの定番。ヴァース付きは導入を丁寧に描けるため、音量設計やテンポ・ルバートの学習にも適する。コーラス部は和声の色彩感が豊かで、控えめな伴奏でも歌の陰影を際立たせやすい。歌詞の比喩と旋律の流麗さが相まって、内省から高揚まで幅広い表現を可能にする。

まとめ

「A Sleepin Bee」は、ヴァースの有無で表情が変わる名曲。verse付きは語りと歌の橋渡しが魅力で、物語性を強めたい場面に好適。Harold Arlenの職人芸とTruman Capoteの詩情が凝縮されたスタンダードである。歌詞全文は扱わず、演奏や鑑賞の手がかりとしてヴァースの存在を意識したい。