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In the Wee Small Hours of the Morning verse付き

  • 作曲: MANN DAVE
#スタンダードジャズ
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In the Wee Small Hours of the Morning verse付き - 楽譜サンプル

In the Wee Small Hours of the Morning verse付き|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「In the Wee Small Hours of the Morning」は、作曲MANN DAVE(一般的表記:David Mann)、作詞Bob Hilliardによる1955年のバラード。フランク・シナトラのアルバム「In the Wee Small Hours」で広く知られ、以後ジャズ・スタンダードとして定着した。ここではverse(前歌)を伴う形態を前提に解説する。歌詞の全文はここでは扱わず、テーマや歴史的文脈に焦点を当てる。

音楽的特徴と演奏スタイル

本曲は穏やかなスローバラードで、語り口のverseが夜更けの情景と心情を導入し、続く本体はAABA型の構成が典型とされる。テンポは歌い手の間合いを活かす遅めの4ビート、あるいはルバートの導入も有効。ハーモニーは繊細な代理和音や半音階的な接続が映え、ピアノ・トリオやギターとのデュオでも成立する。ボーカルはロングトーンとブレスのコントロール、語尾のデクレッシェンドで陰影を作るのが要点。verse付きでは物語性が高まり、歌い出しの表情付けが一層重要になる。

歴史的背景

1955年はシナトラのキャピトル期におけるコンセプト・アルバムの確立期で、夜更けの孤独や失恋を主題にした作品群が評価を集めた。本曲もそのムードを象徴する一曲として浸透し、ポピュラーとジャズの橋渡しを担った。作曲家MANN DAVEと作詞家Bob Hilliardの制作過程の詳細や初演者の厳密な記録は情報不明だが、当時の洗練されたバラード美学を体現する楽曲として受容されたことは確かである。

有名な演奏・録音

決定的な認知をもたらしたのは、フランク・シナトラが1955年に残した録音(編曲:ネルソン・リドル)である。その後も多数の歌手やジャズ奏者が取り上げ、ボーカル曲としてはもちろん、インストゥルメンタルのバラードでも愛奏される。なお、verseの有無は録音によって異なり、省略されるケースも少なくない。個別のチャート成績や発売日の細目は情報不明。

現代における評価と影響

今日でも深夜のクラブやコンサートで定番の抒情バラードとして扱われ、ボーカリストの表現力や伴奏陣のダイナミクスを学ぶ教材曲としても重宝される。プレイリストやラジオでも安定した存在感を保ち、スタンダード集・バラード集への収録頻度も高い。映画・ドラマでの顕著な使用例については情報不明だが、夜想的な雰囲気づくりに適した楽曲としての評価は揺るがない。

まとめ

verse付きの「In the Wee Small Hours of the Morning」は、導入部の語りと本体の抒情が一体となり、深い余韻を生む。ジャズ・スタンダード入門にも、表現を磨く上級者の一曲にも適した名品で、演者はテンポ、ブレス、ダイナミクスの設計で楽曲の心情を立ち上げたい。制作過程の一部は情報不明ながら、1955年生まれの夜想的バラードとしての価値は普遍である。