I Should Care verse付き
- 作曲: CAHN SAMMY, STORDAHL AXEL, WESTON PAUL

I Should Care verse付き - 楽譜サンプル
I Should Care verse付き|楽曲の特徴と歴史
基本情報
I Should Care は、作詞サミー・カーン、作曲アクセル・ストーダルとポール・ウェストンによるバラード。ジャズ・スタンダードとして広く演奏され、ここでいう「verse付き」は本編の前に置かれる導入部(ヴァース)を含む版を指す。ヴァースは劇的な導入効果を担い、歌でも器楽でも解釈の幅を生む。歌詞の全文は非掲載。
音楽的特徴と演奏スタイル
ヴァースは語り口の自由テンポで始まり、リフレインに入ると規則的な拍に乗る構成が通例。流麗な旋律とクロマチックな和声進行が特徴で、微細なダイナミクスとレガートが要。器楽ではルバート序奏→バラード/ミディアムの二部構成がよく採られる。ヴォーカルは言葉のアクセントを尊重し、終止は控えめなカデンツァで余韻を残す解釈が効果的。
歴史的背景
1940年代半ばのアメリカで発表され、ラジオ番組やダンス・バンド、クラブの舞台で親しまれた。作曲陣はいずれも当時のポピュラー/映画音楽シーンの中心的人物で、洗練されたバラード作法が作品に色濃く反映された。のちに多くのジャズ・ミュージシャンに取り上げられ、いわゆるグレイト・アメリカン・ソングブックの一角として定着。初演者の詳細は情報不明。
有名な演奏・録音
フランク・シナトラの端正な歌唱は代表例として知られ、ジャズではセロニアス・モンクの内省的なソロ・ピアノ解釈が評価される。さらに多くの歌手・ピアニストが取り上げ、ライブではヴァース有無を場の雰囲気で選択する実践も一般的だ。編曲はストリングスを伴う叙情的アプローチから、ピアノ・トリオによる簡素で親密な設定まで幅広い。特定盤の初出情報は情報不明。
現代における評価と影響
バラード表現の教材として重宝され、メロディの抑揚と和声感を磨く格好の素材とされる。歌詞のテーマは恋の後悔と自己省察で、過度な感傷に溺れない抑制美が評価の核心。ヴァース付きで演奏することで物語性が強まり、セット内の流れに陰影を与えやすい。プロ・アマ問わずレパートリーに採用され続け、録音・配信でも安定した存在感を保つ。
まとめ
I Should Care は、簡潔な旋律に豊かな情感を宿す定番バラード。ヴァースを含む原形を理解し、自由な序奏から本編へ橋渡しする構成を意識すれば、歌唱・器楽ともに解釈の幅が広がる。出自や初演の細目に不明点はあるが、スタンダードとしての価値は不変で、今日も多様なアレンジで生命力を保ち続けている。