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I Know That You Know verse付き

  • 作曲: YOUMANS VINCENT
#スタンダードジャズ
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I Know That You Know verse付き - 楽譜サンプル

I Know That You Know verse付き|楽曲の特徴と歴史

基本情報

I Know That You Know は、作曲家Vincent Youmans(表記: YOUMANS VINCENT)による英語歌詞のポピュラー曲で、現在はジャズ・スタンダードとして広く親しまれています。ここで扱う「verse付き」とは、本編のリフレイン(コーラス)に先立つ導入部=ヴァースを含めて演奏・歌唱する版を指します。初演の舞台や発表年、初演歌手、初出媒体などの詳細は情報不明ですが、20世紀前半のブロードウェイ〜ティン・パン・アレー系歌の文脈で生まれ、のちに多くのジャズ演奏家に取り上げられて定着しました。

音楽的特徴と演奏スタイル

形式は典型的な32小節AABA型とされ、明快なコーラス構造と循環する機能和声が特徴です。テンポは中速から速いスウィングで演奏されることが多く、II–V進行やセカンダリー・ドミナントを活かした即興に適しています。verseは語り口の弱起的・自由テンポで始まり、コーラスに向けて調性感とリズムを収束させる役割を担います。インスト編成では、verseの和声を短縮引用してからテーマへ入る、あるいは思い切って省略するなど多様なアプローチが見られます。ボーカルでは、物語の状況設定や心情提示としてverseを生かすと、歌詞の意味がより立体的になります。

歴史的背景

Vincent Youmansは20世紀前半のアメリカを代表する作曲家の一人で、舞台音楽やポピュラー・ソングで名を馳せました。本曲の初演年やミュージカルでの位置づけは情報不明ですが、発表当初のポピュラー領域からジャズ領域へと広がり、ビッグバンド時代以降のレパートリーに加わっていきます。こうした移行は当時の多くの名曲に共通する流れで、ダンスホール、ラジオ、レコード市場を通じて定番化し、教育現場でも取り上げられるようになりました。

有名な演奏・録音

具体的な初録音や決定的名演のクレジットは情報不明ですが、ピアノ・トリオ、サックス・クァルテット、小編成コンボからビッグバンドまで幅広く録音が存在します。高速テンポでの技巧的ソロの応酬、AABAの明確な構成を活かしたコーラス設計、ブレイクやストップ・タイムを交えたアレンジなど、演奏上の工夫が映えるレパートリーです。ボーカルはverseを用いるか否かで曲の印象が大きく変わり、ライブでは導入的モノローグとしてverseを短く引用する手法も見られます。

現代における評価と影響

今日では、セッションや音楽大学のカリキュラムでも頻出の標準曲として扱われ、明快な和声進行と速いテンポでのライン構築訓練に有効とされています。特にverse付きの演奏は、物語性と形式美の両立を図れるため、コンサートでの構成に奥行きを与えます。作曲の観点では、シンプルな動機と機能和声の組み合わせが多彩な即興を生む好例として評価され、アレンジャーにとってもイントロ設計やモジュレーション・プランの教材となっています。

まとめ

I Know That You Know は、端正なAABA構成と即興適性の高さで、世代を超えて演奏されるジャズ・スタンダードです。verse付きで取り組むことで、原曲が持つ導入のドラマ性を回復でき、ボーカルは物語性、インストは構成的なコントラストを強化できます。初演情報や決定的名演の詳細は情報不明ながら、実践的価値の高いレパートリーとして、今後もセッションや教育の現場で生き続けるでしょう。