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It's Only A Paper Moon verse付き

  • 作曲: ARLEN HAROLD
#スタンダードジャズ
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It's Only A Paper Moon verse付き - 楽譜サンプル

It's Only A Paper Moon verse付き|楽曲の特徴と歴史

基本情報

作曲はHarold Arlen(表記: ARLEN HAROLD)、作詞はE.Y. HarburgとBilly Rose。1933年発表のポピュラー曲で、のちに定番化したジャズ・スタンダード。コーラスは32小節AABA。『verse付き』は本編前の序唱を含む版を指し、しばしば省略されるが、虚構と信頼をめぐる物語の前提を提示する重要パートである。

音楽的特徴と演奏スタイル

中庸のスウィングで歌われることが多く、滑らかな旋律と循環進行、セカンダリー・ドミナントが特徴。Aで安定し、ブリッジBで転調感が生まれ、即興にも適する。verseは語り口調で自由なテンポから本編へ接続。近年はトライトーン代理などのリハーモナイズも親しまれる。

歴史的背景

本曲は舞台『The Great Magoo』(1932)のために書かれ、翌1933年に発表。大恐慌期の空気の中、現実の脆さと“信じる力”を歌う歌詞が共感を呼んだ。以後ビッグバンド時代から戦後にかけ広く演奏され、1973年の映画『ペーパー・ムーン』でもモチーフとして扱われ、知名度を高めた。

有名な演奏・録音

代表的録音はNat King Cole Trio(1943)のヒットで、軽快なスウィングが定番解釈を確立。Ella Fitzgeraldは『Harold Arlen Song Book』で洗練された歌唱を示し、歌い手の教科書的存在に。初期録音としてCliff Edwards(1933)も重要で、楽曲の早期普及に寄与した。

現代における評価と影響

現在も世界のセッションで定番。多くのフェイクブックや教育カリキュラムに収録され、歌手はverseを用いて物語性を強調するか、省略してテンポよく始めるかを選択する。器楽ではミディアム・スウィングを基本に、ボサやワルツ化など多様な解釈が可能だ。

まとめ

『It's Only A Paper Moon verse付き』は、簡潔なAABAに豊かな物語性を宿す名曲。序唱を含めることで主題が明確になり、演奏のドラマ性も増す。歴史的背景と普遍的メッセージを併せ持つスタンダードとして、今後も長く演奏され続けるだろう。