SAM SMITH
Stay with me
- 作曲: LYNNE JEFF,NAPIER JAMES JOHN,PETTY TOM,PHILLIPS WILLIAM EDWARD,SMITH SAMUEL FREDERICK

Stay with me - 楽譜サンプル
Stay with me|歌詞の意味と歴史
基本情報
2014年発表。サム・スミスのデビュー作『In the Lonely Hour』収録のバラードで、英シングル1位、米Billboard Hot 100で2位を記録。作曲はSAMUEL FREDERICK SMITH、JAMES JOHN NAPIER、WILLIAM EDWARD PHILLIPS。旋律の類似が指摘され、JEFF LYNNEとTOM PETTYが後日クレジットに追加。2015年のグラミー賞でレコード・オブ・ザ・イヤーとソング・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
歌詞のテーマと意味
歌詞は恋の成就よりも「孤独」と一時的なつながりへの希求を描く。弱さを自覚する一人称が、夜だけでも傍にいてほしいと願う構図は、アルバム全体の主題である「片想い」と響き合う。祈りのような合唱と簡潔な語彙が感情の生々しさと普遍性を際立たせ、聴き手に自己の脆さを肯定的に見つめ直させる力を持つ。直接の引用は避けつつも、言葉とコーラスの反復が切実さを増幅させる設計である。
歴史的背景
UKソウルの潮流の中、教会音楽の語法を現代的に取り入れた点が注目された。旋律の一部が“I Won’t Back Down”に類似するとして協議が行われ、TOM PETTYとJEFF LYNNEが共同作曲者に追記。さらにRodney “Darkchild” Jerkinsによる別ミックスも流通し、米ラジオでの露出を後押しした。こうした経緯は、ポップにおける影響関係と権利処理の在り方を考えさせる事例としてもしばしば言及される。
有名な演奏・映画での使用
サム・スミス自身が各種音楽番組や授賞式で本曲を繰り返し披露し、ゴスペル・コーラスを伴う編成がライブの定番となった。カバーやコンテストでの選曲例が多いことも知られるが、特定の映画・ドラマでの使用については情報不明。公式なサウンドトラック収録の詳細も情報不明である。
現代における評価と影響
ミニマルな伴奏と合唱の高揚を両立させる設計は、以降のポップ・バラードの音像に影響を与えた。ジェンダーを限定しない語り口は国際市場で幅広く受容され、アーティスト像を決定づける代表曲に。ストリーミング時代にも長期的に聴かれ続け、ライブでは感情のクライマックスを担う位置づけを保っている。受賞歴と商業的成功が作品の評価を盤石にした。
まとめ
Stay with meは、孤独という私的感情を祈りにも似た合唱と普遍的メロディで昇華した名曲である。ヒットと受賞、クレジット追加の一件まで含め、2010年代ポップを象徴する一曲として今なお強い存在感を放ち続けている。