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ELTON JOHN

Bennie And The Jets

  • 作曲: JOHN ELTON
#洋楽ポップス
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Bennie And The Jets - 楽譜サンプル

Bennie And The Jets|歌詞の意味と歴史

基本情報

エルトン・ジョンが1973年の二枚組アルバム『Goodbye Yellow Brick Road』に収めた代表曲。作曲はエルトン・ジョン、作詞はバーニー・トーピン。1974年に米国でシングル化され、Billboard Hot 100で首位を獲得した。グラム/ポップ・ロックの質感に、ピアノ主導のリフ、裏拍を強調したグルーヴ、吃音的なボーカルアクセントが加わり、独特の高揚感を生む。スタジオ録音に観客の歓声や拍手を重ねた擬似ライブの演出も大きな特徴。プロデュースはガス・ダッジョン。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、架空のロックスター“Bennie”率いるバンドと、その熱狂を見つめる語り手の視線で進む。魅力的なファッションや最新機材のイメージを散りばめつつ、音楽産業の消費主義やスター崇拝へのアイロニーを含むのが肝要だ。語り手は憧憬と懐疑の間を揺れ動き、グラム時代特有の眩い虚飾と現実の距離を映し出す。具体的モデルの有無は情報不明だが、ポップカルチャーにおける架空バンド像の原型の一つとしてしばしば言及される。

歴史的背景

『Goodbye Yellow Brick Road』期のエルトン・ジョンは創作の最盛期にあり、ピアノ主導の楽曲と華やかなステージングで世界的人気を確立した。本曲は当初アルバム曲として登場し、その後の反響を受けてシングル展開された。英国発のグラム・ロックが国際的ムーブメントとなる中、アメリカ市場でも幅広い層に受け入れられたことが、のちの定番化へとつながった。

有名な演奏・映画での使用

エルトン・ジョンのコンサートでは長年の定番曲として演奏され、観客とのコール&レスポンスを誘うナンバーとして機能してきた。映画では『幸せになるための27のドレス』(27 Dresses, 2008)のカラオケ場面で印象的に用いられ、曲の大衆的親和性を広く示した。その他の具体的な映画・ドラマでの使用情報は情報不明。

現代における評価と影響

構造的にシンプルなコード進行と強靭なフックは、後続世代のソングライターに影響を与えた。とりわけフランク・オーシャンの「Super Rich Kids」(2013)では本曲の要素がインターポレートされ、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンがクレジットされている。ストリーミング時代においても再生数は高水準を保ち、ピアノ・ポップの金字塔として位置づけられている。

まとめ

擬似ライブのサウンドデザイン、ポップでありながら含意に富む歌詞、そして忘れ難いピアノのリフ。Bennie And The Jets は、70年代ロックの華やぎと批評性を同時に刻印した稀有の一曲である。初めて聴く人にも入口が多く、エルトン・ジョンの魅力を知る最良の導線として今も輝き続ける。