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Borderline

  • 作曲: LUCAS REGINALD GRANT
#洋楽ポップス
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Borderline - 楽譜サンプル

Borderline|歌詞の意味と歴史

基本情報

Borderlineは、作曲家Reginald Grant Lucas(通称Reggie Lucas)が書いたポップ・ナンバーで、マドンナのデビュー作『Madonna』(1983)に収録。翌年にシングル化され、米国Billboard Hot 100でマドンナにとって初のトップ10入りを果たした。しなやかなシンセ、跳ねるベース、甘やかなメロディが結びつき、ダンス・ポップの原型を示した初期代表曲として広く認知されている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、恋人の曖昧な態度に揺さぶられる語り手が、自尊心と境界線を守ろうとする心情を描く。題名が示す“境界線”は、関係を続けるか断つかの臨界点であり、執着と自立のせめぎ合いを端的に表す。直接的な言い回しとフレーズの反復が、感情の高まりをダンス・グルーヴに乗せて伝え、ポップでありながら切実さを伴う表現に結実している。

歴史的背景

制作はニューヨークのポスト・ディスコ期に行われ、クラブ文化とMTVの台頭がサウンドと露出を後押しした。マドンナの軽やかで芯の強いヴォーカルに、レジー・ルーカスのソウル由来のコード感とポップな旋律設計が融合。ラジオでもクラブでも映えるアレンジは、80年代初頭のダンス・ポップの流れを決定づけ、アルバムの成功とアーティスト像の確立に寄与した。

有名な演奏・映画での使用

本作は本人のコンサートでたびたび披露され、時にアレンジを更新しながら新鮮さを保ってきた。ミュージックビデオはMTV時代を象徴する一本として知られ、マドンナのファッションとストリート感覚を広く印象づけた。具体的な映画での使用例や決定版といえる代表的カバーは情報不明。

現代における評価と影響

発売から長い年月を経ても、初期マドンナ像を語るうえで欠かせない基準曲としてしばしば引用される。キャッチーなフックと控えめな切なさのブレンドは、その後のダンス・ポップやR&B寄りの女性ポップに広く影響。ベスト盤や80年代特集でも繰り返し取り上げられ、マドンナのキャリアにおける転機とポップ史の節目を兼ねる一曲として評価が定着している。

まとめ

Borderlineは、Reginald Grant Lucasの筆致とマドンナの個性が交差した転機のナンバー。恋と自尊のバランスを描く普遍性に、初期MTV時代の軽快な質感が重なり、世代や時代を超えて聴き継がれる力を備える。今なおプレイリストやDJセットで存在感を放ち続ける、ダンス・ポップの礎石だ。