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Candida

  • 作曲: LEVINE IRWIN,WINE TONI
#洋楽ポップス
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Candida - 楽譜サンプル

Candida|歌詞の意味と歴史

基本情報

Candidaは、Irwin LevineとToni Wineが手がけた1970年のポップ・ソング。発表時の表記はDawn(のちのTony Orlando & Dawn)で、レーベルはBell Records。プロデュースはHank MedressとDave Appellが関わったとされる。アルバム『Candida』(1970)にも収録され、米国を中心に広くヒットを記録した。作曲・作詞クレジットはIrwin Levine/Toni Wine。ボーカルはTony Orlandoが務め、当初は業界上の事情から名前を前面に出さずDawn名義でのリリースとなった。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、語り手が女性“Candida”にやさしく語りかけ、厳しい現実から抜け出して一緒に新しい生活を築こうと誘う内容。貧しさや雑踏から離れ、ふたりで希望の場所へ向かうというロマンティックなビジョンが核にある。温かいメロディにのせて、確信と包容力のある言葉で未来を約束するトーンが貫かれ、サビでは名前を呼びかけるフレーズが印象的に反復される。憧憬、連帯、自己肯定をやさしく鼓舞するメッセージが、70年代初頭のポップスらしい親しみやすさで表現されている。

歴史的背景

1970年は、バブルガム・ポップからソフトロックへと潮流が移る過渡期。Candidaは軽快なラテン風味のリズムやストリングスの装飾を取り込みつつ、ラジオ映えするシンプルなソングライティングで時代性をとらえた。音楽出版社で働いていたTony Orlandoが匿名に近い形で参加した録音がヒットしたことで、DawnはTony Orlando & Dawnとして本格的なグループへ発展。後続のヒットにつながる足がかりとなり、初期70年代ポップの代表的レパートリーの一つとして定着していく。

有名な演奏・映画での使用

もっとも知られる演奏はDawnによるオリジナル・シングル録音で、同音源が決定版として広く親しまれている。以降、Tony Orlando & Dawnのコンサートや各種コンピレーションでも定番曲として扱われることが多い。映画やドラマでの特筆すべき使用例は情報不明。著名なカバーの網羅的リストも情報不明だが、楽曲の親しみやすい構造から各地で多様な解釈の演奏が行われてきたことは想像に難くない。

現代における評価と影響

Candidaは、直感的に口ずさめるメロディと、温かい希望のメッセージを備えた“初期70年代ポップの模範例”として評価される。現在でもオールディーズ系のプレイリストやラジオでの露出が続き、入門的な英語ポップとしても親しまれている。Tony Orlando & Dawnのキャリア形成における起点であり、以後のヒットの道筋を開いた意義は大きい。気負いのない歌唱と柔らかなアレンジは、時代を越えて聴きやすさを保ち続けている。

まとめ

Irwin LevineとToni WineによるCandidaは、シンプルな美点が凝縮された1970年のポップ名曲。Dawn名義での成功は、Tony Orlando & Dawnの物語を始動させ、同時代のポップ潮流を象徴する1曲として今も輝きを放つ。優しい誘いの言葉と明快なメロディは、現実の重さをひととき和らげ、聴き手に前を向かせる。歌詞全文はここでは扱わないが、その核にある“希望と連帯”の感覚は、現在のリスナーにも有効に届く。