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Wings

Goodnight Tonight

  • 作曲: MCCARTNEY PAUL JAMES
#洋楽ポップス
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Goodnight Tonight - 楽譜サンプル

Goodnight Tonight|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Goodnight Tonight」はポール・マッカートニー(作曲者表記:MCCARTNEY PAUL JAMES)による楽曲。1979年、ウイングス名義の単独シングルとして発表された。スタジオ・アルバム未収録曲として知られ、B面は「Daytime Nighttime Suffering」。軽快なディスコ的ビートと太いベース、そしてスペイン風のギターブレイクが印象的で、7インチに加えてクラブ向けの12インチ・ロング・バージョンも発売された。後年のベスト盤への収録例はあるが、初出当時は単発シングルとして機動的に届けられたのが特徴である。

歌詞のテーマと意味

題名のとおり「今夜は別れを告げないで、もう少し一緒にいたい」という親密なムードが核にある。強い要求やドラマチックな展開よりも、穏やかな説得と軽やかなフレーズの反復で高揚感を生む構成。言葉数は抑制的で、ビートと行き交うコールが夜の空気感を強める。相手への配慮をにじませつつ、名残惜しさと期待感を同時に描くことで、ダンスフロアの心地よい持続を象徴する内容となっている。物語の詳細は語られないが、感情の温度を細やかに保つ表現が魅力だ。

歴史的背景

70年代末はロックとディスコの越境が進み、ダンス・グルーヴを取り入れる動きが広がっていた。本作もその潮流の中で登場し、マッカートニーは得意のメロディ運びとメロディアスなベースを軸に、当時のクラブ感覚を自作のポップ・ナンバーへ自然に接続した。アルバムに縛られない単発シングルという形態は、トレンドに素早く応答するリリース戦略とも合致。ディスコ的な質感と彼本来のソングライティングが無理なく共存した点が、時代性と普遍性の折衷例として評価されるゆえんである。

有名な演奏・映画での使用

代表的な音源はシングル・エディットと12インチ・ロング・バージョンで、後年のコンピレーションにも収められた例がある。プロモーション・ビデオが制作されたことは知られているが、映画やテレビドラマでの顕著な使用例は情報不明。ライブでの定番化や特定公演での位置づけについても、網羅的な詳細は情報不明である。音源面では、拡張されたブレイクや低音の推進力が強調される12インチ版がダンス用途で好まれることが多い。

現代における評価と影響

近年はディスコ/ブギー再評価の文脈で、ロック由来のソングクラフトとダンス・グルーヴの折衷例として再注目を集めている。柔らかなヴォーカル、躍動するベース、ラテン風ギターのブレイクという配置がユニークで、マッカートニーの職人的アレンジ感覚が前面化。ストリーミング時代の単曲リスニングにも適しており、年代を超えてプレイリストに馴染む汎用性が強みだ。専門家・ファンの間では、時代性を取り込みつつ作家性を損なわないバランス感覚が評価点として語られる。

まとめ

「Goodnight Tonight」は、ポール・マッカートニーのメロディ感覚と70年代末のダンス・フィールが出会った快作。歌詞は軽やかな親密さを、サウンドは夜のときめきを描き、今もクラブ/プレイリスト双方で映える。初出や使用情報に未確定要素は残るものの、耳に残るベースと洒脱なムードは、ポップ・ソングとしての普遍性を力強く示している。