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Got To Get You Into My Life

  • 作曲: LENNON JOHN WINSTON,MCCARTNEY PAUL JAMES
#洋楽ポップス
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Got To Get You Into My Life - 楽譜サンプル

Got To Get You Into My Life|歌詞の意味と歴史

基本情報

Got To Get You Into My Lifeは、作詞作曲クレジットがレノン=マッカートニーのビートルズ作品。初出は1966年のアルバム『Revolver』で、アビー・ロード(当時EMIスタジオ)で録音された。力強いブラス・セクションを導入したソウル寄りのサウンドが特徴で、ポール・マッカートニーがリード・ボーカルを担当。1976年には米国でシングルとして再発され、改めて広く知られるようになった。スタジオ・ミュージシャンによるホーンを大きくフィーチャーした点が、同時期のビートルズ作品の中でも際立っている。

歌詞のテーマと意味

表面上は“あなたを人生に迎え入れたい”と歌うラブソングだが、ポールは後年のインタビューで、この曲が大麻体験へのオマージュとして着想されたと説明している。つまり、恋愛の語彙を借りて、新しい感覚や世界観との“出会い”を描いた構造だ。直接的な描写を避け、強い衝動、発見の喜び、日常からの転換といった感情を前面に置くことで、聴き手は恋愛歌としても通じる普遍性を感じ取れる。ダブル・ミーニングの巧みさは、ビートルズのポップ・ソングライティングの成熟を物語る。

歴史的背景

『Revolver』期のビートルズは、録音技術と編曲の可能性を大胆に拡張していた。本曲では英米ソウル/モータウンの影響を受け、ホーンのリズム・ヒットとタイトなグルーヴで“黒い”感触を獲得。ストリングス中心のポップから、ブラスを核にしたR&B的質感へと舵を切った実験でもある。ジョージ・マーティンのプロデュースのもと、オーバーダビングを駆使してダイナミックな音像を形成し、アルバム全体の革新性に呼応する都会的サウンドを提示した。

有名な演奏・映画での使用

1978年、アース・ウィンド&ファイア(Earth, Wind & Fire)が映画『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のためにカバーし、大きな話題を呼んだ。原曲のエッセンスを保ちつつ、ファンク~ブラスの華やかさを増幅したアレンジで、新たなリスナー層にも浸透。ビートルズ版は1976年のシングル再発を機に再評価が進み、ラジオやコンピレーションでも定番化した。その他の映画・ドラマでの使用は情報不明。

現代における評価と影響

本曲は『Revolver』の中でも即効性のある名曲として位置づけられ、ポップとソウルの橋渡しをした好例と評される。ロック・バンドがブラスを前面に据える手法は、その後のポップ/ロック制作に広く波及し、ライブ・アレンジでも応用される定石となった。カバーやリワークが途切れないこと自体が楽曲の強度を示し、世代やジャンルを超えて愛聴され続けている。今日でも、キャッチーなメロディと濃密なグルーヴの両立は制作のリファレンスとして有効だ。

まとめ

Got To Get You Into My Lifeは、ビートルズがポップの文法にソウルのエネルギーを融合させた象徴作。多義的な歌詞とブラス主導のアレンジが、時代を超えて聴感上の新鮮さを保ち続ける。原曲と名カバーの両輪で、楽曲の普遍性と柔軟性が証明されたと言える。