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If You Leave Me Now

  • 作曲: CETERA PETER P
#洋楽ポップス
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If You Leave Me Now - 楽譜サンプル

If You Leave Me Now|歌詞の意味と歴史

基本情報

「If You Leave Me Now」は、作曲者CETERA PETER Pによるバラードで、米ロックバンド・シカゴが1976年に発表。アルバム『Chicago X』に収録され、シングルとして世界的ヒットを記録した。プロデュースはJames William Guercio。穏やかなストリングスとアコースティック主体のサウンド、ピーター・セテラの繊細なテノールが前面に出たミッドテンポのラブソングで、ブラス色の強い従来像とは異なる一面を提示した。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、愛する相手に「今ここで去らないでほしい」と懇願する切実な心情を描く。別離がもたらす喪失感、自己の一部を失うような痛み、関係修復への希望が、シンプルな語彙と反復表現で強調される。責め立てるのではなく、相手を尊重しつつ本心を打ち明ける語り口が普遍的な共感を生み、上昇するメロディラインと包み込むストリングスが、その脆さと誠実さを音楽的に後押しする。結果として“愛をつなぎ止めるための祈り”が、静かな高揚感を伴って結晶化されている。

歴史的背景

70年代半ば、シカゴはブラス・ロックの雄として知られていたが、本曲の成功はバンドにとってバラード路線への重要な転機となった。シングルは米英チャートで1位を獲得し、米国ではバンド初の首位曲に。翌年のグラミー賞でも複数部門で受賞し、国際的評価を確立した。ソフトロック/AORの潮流が広がる中で、本曲は“歌と編曲の親密な対話”を核に、ラジオフレンドリーかつ品位あるサウンドの手本として機能し、同時代のポップ・バラードの基準点となった。

有名な演奏・映画での使用

「If You Leave Me Now」はシカゴのライブで長年定番として演奏され、ピーター・セテラのソロ公演でも重要レパートリーとして親しまれてきた。アカペラ、オーケストラ、アコースティック・デュオなど多様な編成での再解釈が可能なため、数多くのアーティストにカバーされている。映画・テレビ・広告での使用例もあるが、具体的な作品名は情報不明。状況や文脈に応じて“切ない別れ”や“和解の願い”を象徴する楽曲として機能している。

現代における評価と影響

現在もストリーミングやプレイリストで安定した人気を保ち、失恋・和解・ウェディングのスローナンバーとして定着。技巧に偏らず、声と弦が対話するアレンジと覚えやすい旋律が時代を超える普遍性を担保している。バンドの音楽的幅を広げた功績に加え、セテラのソングライティングと歌唱が大衆性と表現性を両立し得ることを示し、後続のポップ・バラードやAOR系アーティストに大きな影響を与えた。

まとめ

別れの瀬戸際でこぼれる本音を、簡潔な言葉と美しい旋律で描いた永遠のバラード。1976年の誕生以来、世代を超えて愛され続ける理由は、感情の核にまっすぐ届く誠実さと、時を経ても色あせないアレンジの妙にある。シカゴ入門にも、歌詞を味わう鑑賞にも最適な一曲だ。