Burn
- 作曲: BLACKMORE RITCHIE,LORD JON,PAICE IAN ANDERSON,COVERDALE DAVID

Burn - 楽譜サンプル
Burn|歌詞の意味と歴史
基本情報
ディープ・パープルの1974年作『Burn』の表題曲にしてオープニング・ナンバー。作曲はリッチー・ブラックモア、ジョン・ロード、イアン・ペイス、デイヴィッド・カヴァーデイル。マークⅢ編成で、カヴァーデイル(Vo)とグレン・ヒューズ(B/Vo)を迎え、ギターの鋭いリフとハモンド・オルガンが牽引するハードロックの代表曲として知られる。スタジオ版はアルバムの核であり、以後のライヴ定番となった。
歌詞のテーマと意味
歌詞は「炎」を中心モチーフに、圧倒的なエネルギーが街や関係性を飲み込む光景を描く。破滅的だが高揚感に満ち、危うい魅力を帯びた存在への警告と、その熱に惹かれてしまう人間の二面性が交錯する。比喩表現が多く、具体的な固有名詞は少ないため、個人的な情熱、名声の灼熱、あるいは集団的熱狂など、多義的に読み解ける点が長く愛される理由だ。
歴史的背景
1973年にイアン・ギランとロジャー・グローヴァーが脱退し、ブルース色を増した新体制が始動。その転換を最も鮮烈に示したのが本曲で、スピード感とクラシカルなフレーズが同居する新機軸を提示した。録音は1973年後半に行われ、翌年にリリース。アルバム『Burn』は欧州や日本を中心に高い評価を獲得し、バンドの第二幕を確立した。
有名な演奏・映画での使用
ライヴでは1974年のカリフォルニア・ジャム公演など、マークⅢ期のハイライトとして語られる名演が多数。のちにホワイトスネイクが『ザ・パープル・アルバム』期のツアーで取り上げ、カヴァーデイルが再解釈したバージョンも定評がある。映画での顕著な使用例は情報不明。グレン・ヒューズや各国のメタル勢によるカバーも多い。
現代における評価と影響
ギターとオルガンのユニゾン、緊張感あるブレイク、推進力のあるドラミングは、ハードロック/ヘヴィメタルの語彙として定着。ネオクラシカル系やパワーメタルにも通じる対位法的ソロ運びは、後続の作曲・アレンジに大きな示唆を与えた。ストリーミング時代でも再生数は堅調で、バンド入門曲としての存在感を保っている。
まとめ
『Burn』は、編成刷新の不安を一気に払拭し、ディープ・パープルの新たな頂点を示した一曲。燃え上がるイメージとスリリングな演奏が一体化し、時代を超えて効力を失わない。歌詞解釈の余地も広く、ライヴでの爆発力も抜群。ハードロックの基準点として、今なお聴く価値は極めて高い。