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The Core

  • 作曲: HUBBARD FREDDIE
#スタンダードジャズ
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The Core - 楽譜サンプル

The Core|楽曲の特徴と歴史

基本情報

フレディ・ハバード作曲のThe Coreは、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのアルバム『Free for All』(Blue Note、1964年録音)に収められ、同曲の決定的な演奏として知られる。タイトルは米公民権運動の団体Congress of Racial Equality(略称CORE)への献辞に由来し、社会的メッセージを帯びたハード・バップ作品である。

音楽的特徴と演奏スタイル

曲頭は管のユニゾン/ハーモニーによる力強いリフで始まり、ミディアム・ファスト以上の推進力あるスウィングが全篇を貫く。ブレイキーのプレスロールが熱量を押し上げ、トランペット、テナー、トロンボーンが長尺のブローで応酬。機能和声を基盤にモーダルな色合いも交え、短いモチーフの反復とシャウト的展開で頂点へ至る。ソロとアンサンブルのコントラストが鮮明で、メッセンジャーズの集団的なダイナミクスが堪能できる。

歴史的背景

1960年代半ばは公民権運動が高まり、ジャズ界でも社会意識を示す作品が増えた。The Coreはその文脈の中で、メッセンジャーズの硬派なサウンドと結びつき、政治的献辞を掲げた楽曲として位置づけられる。『Free for All』はバンド史上でも屈指の熱量で知られ、同作におけるThe Coreはハード・バップの峻烈さを刻印した。ブルーノート期の録音美学と、演奏者の即興的エネルギーが結晶した一曲である。

有名な演奏・録音

最も知られる音源はArt Blakey & The Jazz Messengers『Free for All』のテイク。メンバーはArt Blakey(ds)、Freddie Hubbard(tp)、Wayne Shorter(ts)、Curtis Fuller(tb)、Cedar Walton(p)、Reggie Workman(b)。各ソロの構築力とアンサンブルのダイナミズムが高く評価される。その他の主要録音は情報不明。

現代における評価と影響

今日、The Coreはメッセンジャーズ後期のレパートリーを語る上で重要な一曲とみなされる。社会的題材と音楽的強度が結びついた好例として、研究・鑑賞の双方で参照され、ハード・バップの演奏語法—リフの扱い、ダイナミクス、ドラムの推進力—を学ぶ手がかりを提供している。ハバードの作曲家としての資質と、ブレイキー楽団の集団即興の妙味を同時に味わえる点も評価の理由だ。

まとめ

The Coreは、フレディ・ハバードの作曲術とブレイキー楽団の爆発力が交差したハード・バップの重要曲である。公民権運動への献辞という背景と、燃焼度の高い演奏が相まって、発表から半世紀以上を経た現在も強い存在感を放ち続ける。作品年や他録音の詳細には情報不明点もあるが、基準となる音源は『Free for All』であり、本曲の理解に不可欠な参照点となっている。