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Don't Cry For Me Argentina

EVITA

  • 作曲: RICE TIM,WEBBER ANDREW LLOYD
#洋楽ポップス#映画音楽
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Don't Cry For Me Argentina - 楽譜サンプル

Don't Cry For Me Argentina|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Don't Cry For Me Argentina」は、ミュージカル『エビータ』の代表曲。作曲はAndrew Lloyd Webber、作詞はTim Rice。1976年のコンセプト・アルバムで初公開され、同曲は作品全体の象徴的バラードとして位置づけられます。舞台ではヒロインのエヴァ・ペロンが群衆を前に語りかける重要場面で歌われ、物語の核となる自己像と大衆との関係性を凝縮しています。歌詞全文はここでは扱いませんが、タイトル・フレーズが作品の情緒とメッセージを強く印象づけます。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、同情を求めるのではなく、自身の歩みを民衆への奉仕として位置づける宣言的な語りが軸です。私的欲望より公への献身を掲げ、過去の誤解や毀誉褒貶を包摂しながら“私とあなたたち”の連帯を再確認します。演説調の言葉遣いと反復が説得力を増し、静かな告白と揺るがぬ意思の対比がカタルシスを生みます。単なるラブソングではなく、政治的アイコンの自己物語としてのバラードである点が特徴です。

歴史的背景

『エビータ』は、アルゼンチンのファーストレディ、エヴァ・ペロンの生涯を題材にしたミュージカルで、コンセプト・アルバム(1976年)を経て舞台化されました。作品は1940年代の政治・社会状況と、エヴァのカリスマ性がもたらした熱狂を描写します。本曲は、彼女が大衆に向けて自らの立場を語る象徴的瞬間に置かれ、物語の転換点として機能します。史実の評価には多面性があるため、歌の解釈も単線的でないことが特徴です。

有名な演奏・映画での使用

1976年の音源をもとに、ジュリー・カビントンのシングルが広く知られ、のちにウェストエンド版(主演エレイン・ペイジ、1978年)やブロードウェイ版(主演パティ・ルポーン、1979年)で決定的な名唱が生まれました。1996年の映画『エビータ』ではマドンナが歌唱し、世界的な知名度をさらに拡大。以後、各国の公演やコンサート、テレビ企画でも頻繁に取り上げられる標準的レパートリーとなっています。

現代における評価と影響

本曲はショー・チューンの定番として、ミュージカル・ファンのみならず幅広い聴衆に親しまれています。大きなメロディ・アークと演説的構成は、歌い手の表現力を測る“試金石”とも言われ、カバーや各国語版の上演が継続。音源市場でも舞台録音や映画版サウンドトラックが参照基準となり、ミュージカルにおける“物語を運ぶバラード”の成功例としてしばしば研究・言及されます。

まとめ

「Don't Cry For Me Argentina」は、個人の告白と群衆への宣誓を融合させた稀有なバラードです。『エビータ』の文脈で最大の意味を発揮しつつ、単独曲としても強い存在感を持ち続けます。1976年の登場以来、舞台・映画・録音の各領域で受け継がれ、今日に至るまでミュージカル音楽の象徴的名曲として評価されています。