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Loco In Acapulco

  • 作曲: COLLINS PHILLIP DAVID CHARLES,DOZIER LAMONT HERBERT
#洋楽ポップス
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Loco In Acapulco - 楽譜サンプル

Loco In Acapulco|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Loco In Acapulco」は、COLLINS PHILLIP DAVID CHARLES(フィル・コリンズの本名)とDOZIER LAMONT HERBERT(名ソングライター、ラモント・ドジャー)による共作。Four Topsが歌い、1988年公開の英国映画『Buster』のサウンドトラックとして発表された。英国シングルチャートでトップ10入りを果たし(最高位は一般に7位とされる)、同グループの80年代後半を代表するヒットとなった。レーベルや詳細な初出形態の情報は出典により差異があり、確定情報は情報不明。

歌詞のテーマと意味

舞台はメキシコのリゾート地アカプルコ。灼ける太陽や海辺の高揚感の中で、主人公が恋と快楽に心を奪われ、理性を失いかける“熱狂”を描く。都市名の音感を生かしたフレーズとコール&レスポンス的なフックが、休暇地の浮遊感と危うさを軽やかに表現。恋の眩しさに酔い、長く留まれば“正気でいられないかもしれない”という比喩が、陽気さの裏にある誘惑と自己喪失の気配をほのめかす。物語性はシンプルだが、反復するキャッチーなサビが感情の昂ぶりを増幅する構成になっている。

歴史的背景

Four Topsは60年代モータウンの名門グループ。共作者のラモント・ドジャーは、Holland–Dozier–Hollandの一員として同レーベル黄金期を築いた存在で、本曲はその遺伝子を80年代のサウンド設計で再起動させたコラボでもある。フィル・コリンズが関わる映画『Buster』は1963年の“大列車強盗”を題材にしており、サウンドトラック全体に60年代ポップ/ソウルのオマージュがにじむ。本曲は、往年のモータウン流のソングクラフトと、80年代の明快なプロダクションが合流した好例とされる。

有名な演奏・映画での使用

本作は映画『Buster』(1988年)で使用され、同サウンドトラックの目玉曲として注目を集めた。劇中の具体的な挿入シーンや編集バージョンの詳細は情報不明だが、公開当時のプロモーションとともにFour Topsのテレビ出演やライブ・セットでの披露が広がり、ヨーロッパ圏を中心に浸透。CMや他作品での顕著な二次利用については情報不明。のちのベスト盤やコンピレーションにも頻繁に収録され、同グループの後年代表曲として定着した。

現代における評価と影響

夏やバカンスのプレイリストに好相性な曲としてストリーミング時代も支持を獲得。ラテン風味のパーカッション、ブラスの抜け、Levi Stubbsの情熱的なリードと合唱の厚みが、踊れるポップ・ソウルとして機能する。60年代のモータウン直系の作曲技法と、1988年当時のポップ・プロダクションの融合は、レトロとモダンの橋渡しとして評価が高い。Four Topsのキャリアにおいても、80年代後半の復権を象徴するトラックとして位置づけられている。

まとめ

「Loco In Acapulco」は、Four Topsの伝統的なソウル・ヴォーカルと、フィル・コリンズ/ラモント・ドジャーの職人芸が交差した一曲。映画『Buster』を媒介に誕生し、リゾートの陶酔を描く歌詞と軽快なグルーヴで国際的ヒットを記録した。往年のモータウンの息吹を80年代の輝きで再提示した点で、今なお色褪せない魅力を放っている。