(Love Is) Thicker Than Water
- 作曲: GIBB BARRY ALAN,GIBB ANDY

(Love Is) Thicker Than Water - 楽譜サンプル
「(Love Is) Thicker Than Water|歌詞の意味と歴史」
基本情報
アンディ・ギブのデビュー作『Flowing Rivers』(1977)収録曲で、バリー・ギブとアンディの共作。プロデュースはGibb-Galuten-Richardson(バリー・ギブ、アルビー・ガルーテン、カール・リチャードソン)。1977年にシングル化され、1978年に米Billboard Hot 100で1位を獲得した。メロディはソフトロック寄りのポップで、当時のディスコ期のサウンド感も併せ持つ。ファルセットと多重コーラスが印象的で、キャッチーなフックが耳に残る。
歌詞のテーマと意味
タイトルは慣用句“blood is thicker than water”を反転させ、恋があらゆる障壁よりも強いことを示唆する。歌詞は迷いや誘惑に揺れながらも、最終的に相手への想いが勝るという心情を描く。高揚感あるサビの反復と転調が、決意の瞬間をドラマティックに演出。具体的な物語よりも、普遍的な感情の輪郭を言葉とメロディのシナジーで浮かび上がらせている。直接的な引用なしでも、聴けばテーマが明瞭に伝わる構成が魅力だ。
歴史的背景
発表時期は『サタデー・ナイト・フィーバー』旋風のただ中で、ギブ兄弟のソングライティングとプロダクションがポップ・チャートを席巻していた。本作は米チャートでビージーズ「Stayin’ Alive」に代わり1位となり、その後「Night Fever」に首位を譲るという稀有な推移を記録。ファミリーが連続して頂点を獲得した象徴的エピソードであり、70年代末のポップ/ディスコ潮流の中心にギブ一家がいたことを強く印象づけた。
有名な演奏・映画での使用
映画やドラマでの顕著な使用例は情報不明。また、大規模な公式カバーについても情報不明。一方で、アンディ・ギブ本人のテレビ出演やステージでのパフォーマンス映像が現在も確認でき、コーラスとリズム隊を強調したコンパクトなライヴ・アレンジを聴くことができる。スタジオ版の緻密な多重録音に対し、舞台ではヴォーカルの伸びとグルーヴが前面に出る点が聴きどころだ。
現代における評価と影響
本作はアンディ・ギブの3作連続全米1位の一角として語られ、ギブ一族のポップ支配を示す指標的存在。現在もストリーミングで安定して聴取され、爽快なコーラスワークとミッドテンポの質感はAOR/シティポップ的な耳からも親和性が高い。兄弟によるソングライティングとプロデュースの連携モデルは後続のポップ・プロダクションで参照される例もあるが、定量的な影響の範囲は情報不明。
まとめ
恋の力を高らかに掲げる歌詞と、洗練された70年代末のプロダクションが結びついた名曲。チャート面の記録性と普遍的メロディの両面から、アンディ・ギブの代表作として確かな位置を占め続けている。入門者にも通好みの耳にも響く、時代と世代を超えるポップ・アンセムだ。