More Than A Woman
- 作曲: GIBB BARRY ALAN,GIBB MAURICE ERNEST,GIBB ROBIN HUGH

More Than A Woman - 楽譜サンプル
More Than A Woman|歌詞の意味と歴史
基本情報
More Than A Womanは、Gibb兄弟(Barry, Robin, Maurice)が作詞作曲したポップ/ディスコ曲。映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977)のために書かれ、Bee Geesの録音が公式サウンドトラックに収録された。作曲クレジットはGIBB BARRY ALAN, GIBB MAURICE ERNEST, GIBB ROBIN HUGH。映画内ではBee Gees版に加え、ソウル/ディスコグループのTavaresによる別バージョンも使用され、同一タイトルの二つの録音が並存することでも知られる。いずれも軽快な4つ打ちと滑らかなストリングス、ファルセットを核にしたハーモニーが特徴だ。
歌詞のテーマと意味
タイトルの「君は女以上の存在」という表現が示すのは、相手への敬愛と献身の誓いである。日常を超えて永続する絆、人生観そのものを変える相手の力を讃える内容で、ロマンティックでありながら過度に劇的になりすぎない言葉運びが魅力。Bee Gees特有の柔らかなファルセット合唱は、告白の親密さと高揚感を同時に増幅し、ダンスフロアでも家庭でも機能する“普遍性”を獲得している。直接的な比喩とシンプルな反復により、耳に残るフックと感情の明快さが共存する点が長寿命ヒットの理由と言える。
歴史的背景
1977年当時、ディスコは世界的潮流となり、映画と音楽産業が強く結び付いていた。Bee Geesはハーモニー主体のポップからダンス志向へと舵を切り、時代の空気を象徴する作品群を連発。本曲もその中心に位置し、映画の物語と都市のナイトライフを音響的に結び付けた。収録サウンドトラックは歴史的成功を収め、グラミー賞(アルバム・オブ・ザ・イヤー)を獲得するなど、映画音楽とポップの融合が頂点に達した時期を示す代表作となった。
有名な演奏・映画での使用
『サタデー・ナイト・フィーバー』本編で、Bee Gees版とTavares版がシーンに応じて用いられ、フロアを満たすストリングスとビートがダンスの動きに呼応する。TavaresのソウルフルなリードとBee Geesの多重ハーモニーという質感の違いが、同曲の幅を示す好例だ。映画公開後も、多数のコンピレーションやディスコ特集で定番曲として再収録され、ライヴではメドレー的に取り上げられることも多い。メディアやテレビの回顧特集でも頻繁に引用される。
現代における評価と影響
今日ではディスコ・クラシックとして定着し、ストリーミング時代においても安定した再生を獲得。きらびやかなアレンジと端正なメロディは、シティポップ的再評価やレトロ志向のダンス・プロダクションとも親和性が高い。DJによるリエディットやバンド編成でのカバーも盛んで、結婚式や記念日の定番選曲としても機能している。映画と音楽の相互強化を示す成功例として、ポップス史・映画音楽史双方の文脈で参照され続ける存在である。
まとめ
More Than A Womanは、愛の普遍性を軽快なディスコ文法で結晶化した名曲。二種の公式録音が映画内で共存するユニークさ、時代の空気を映すサウンドデザイン、そして耳に残る旋律が強い生命力を与えている。映画とポップの黄金接合を体現するこの曲は、今なおダンスフロアから日常のBGMまで幅広い場面で輝きを放ち続けている。