My Love (Tony Hatch)

#洋楽ポップス

My Love (Tony Hatch) - 楽譜サンプル

作曲家トニー・ハッチが手がけ、作詞はジャッキー・トレント。オリジナルはペトゥラ・クラークの歌唱で、1965年に発表されたシングル。翌年には米国で大ヒットを記録し、彼女の代表曲の一つとなった。収録アルバム名や細部の制作クレジットは情報不明。

タイトルどおり「私の愛する人」へのまっすぐな献辞で、確かな愛情と支え合いを誓う内容が核。難解な比喩よりも、端的で親しみやすい言葉運びが魅力で、サビは高揚感を伴って肯定のメッセージを反復する。全文掲載は避けるが、要旨は普遍的な愛の肯定にある。

英国発の女性ポップ・シンガーとして国際的成功を収めたクラークは、「Downtown」「I Know a Place」に続き本作で米国市場でも勢いを確立。ブリティッシュ・インヴェイジョン期に、大人向けポップとティーン向けチャートの橋渡しを果たした点で重要な作品と位置づけられる。

最も知られるのはクラークのオリジナル録音。さらに、カントリー歌手ソニー・ジェイムスによるカヴァーが1970年に米カントリー・チャートで1位を獲得し、曲の間口を広げた。映画やドラマでの顕著な使用については情報不明だが、テレビ出演やライヴでの再演は多い。

弦とホーンを活かした華やかなオーケストラル・ポップの好例として、60年代ポップの定番曲に数えられる。コンピレーションやオールディーズ企画で頻繁に取り上げられ、ソングライティング・チーム、ハッチ＆トレントの代表作として教育的文脈でも言及されることが多い。

シンプルな言葉と印象的なメロディ、時代性を映すアレンジが揃った「My Love」は、半世紀を超えて愛されるポップ・ナンバー。作曲トニー・ハッチ、作詞ジャッキー・トレント、歌ペトゥラ・クラークという布陣が示した普遍性は、現在のリスニング環境でも鮮度を保ち続けている。