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ABBA

Name Of The Game, The

  • 作曲: ANDERSSON BENNY GORAN BROR,ANDERSSON STIKKAN,ANDERSON STIG ERIK LEOPOLD,ULVAEUS BJOERN K
#洋楽ポップス
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Name Of The Game, The - 楽譜サンプル

Name Of The Game, The|歌詞の意味と歴史

基本情報

ABBAのシングル「The Name of the Game」は1977年発表。Benny Andersson、Björn Ulvaeus、Stig Andersonの共作で、アルバム『The Album』に収録される。柔らかなエレクトリック・ピアノとメロディアスなベース、二人の女性ボーカル(アグネタとフリーダ)の重層的ハーモニーが核となり、ポップでありながら内省的で成熟したサウンドを聴かせる。タイトル表記は資料によって「Name Of The Game, The」とも記載される。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、恋の始まりに感じる不安と高揚のせめぎ合いを一人称で描く。相手への信頼を探りつつ、自分の弱さを見せる勇気を問う内容で、「駆け引きではなく本心を知りたい」という願いが通底する。語りかけの口調と比喩表現が親密さを生み、サビの高揚とともに感情の開示が段階的に進む構成。直接的な断定を避け、相手の反応に耳を澄ますような繊細な視点が特徴だ。

歴史的背景

制作はABBAが世界的成功を収めた時期に位置し、華やかなディスコ色に留まらないソングライティングの深化が見られる。1977年のリリース後、同曲は英国シングルチャートで1位を獲得し、彼らの幅広い表現力を示す代表作の一つとなった。アレンジはアメリカン・ポップやソフトロック的な手触りを取り入れつつ、北欧的な透明感を保つ点が聴きどころで、転調とコーラスワークがドラマ性を支える。

有名な演奏・映画での使用

舞台ミュージカル『マンマ・ミーア!』で使用され、世代を超えて再評価の契機となったことが広く知られる。さらに1997年、The Fugeesの「Rumble in the Jungle」が本曲をサンプリングし、ABBA作品のサンプリング事例として注目を集めた。映画での詳細な使用状況や個別の劇中採用の有無については情報不明。著名なテレビ出演やライブ映像も複数流通しているが、網羅的な公式リストは情報不明である。

現代における評価と影響

流麗なベースライン、緻密なコーラスの積層、ダイナミックな転調は、ABBAの作曲・プロダクション手法を語るうえでの好例としてしばしば言及される。配信やリマスター再発を通じて継続的に聴かれ、ミュージカルの上演によって若い層にも接点が生まれている。ポップ・ソングに内省的テーマを溶け込ませる手腕は、その後のポップ/ソフトロック系アーティストにも参照される重要な達成点といえる。

まとめ

「The Name of the Game」は、華やかさと内省のバランスを高次元で両立させたABBAの成熟期を象徴する一曲。恋の機微を普遍的なポップに昇華し、重厚なハーモニーと滑らかなグルーヴで時代を超えて響き続ける。初めて聴く人にも、ABBAの奥行きある作家性を実感させる入口となるだろう。