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上を向いて歩こう

#邦楽ポップス

上を向いて歩こう - 楽譜サンプル

中村八大作曲、永六輔作詞、坂本九の歌唱で1961年に発表された日本の歌謡曲。英題はSukiyakiとして世界に広まった。端正なメロディと口ずさみやすい構成が特徴。初出媒体など一部の細部は情報不明。

歌詞は、涙をこらえつつ前を向く自己励起の姿勢を静かに描く。悲しみを否定せず受け止め、視線を上げる所作に希望を託す構図が、平易な語彙と反復で伝わる。個人的な喪失や孤独に寄り添う普遍性が核となっている。

1960年代初頭、日本は高度経済成長の入口で、テレビとレコード市場が拡大。中村八大と永六輔の“六八コンビ”は時代感覚に富む作品を多数生み、本作もその代表格。オーケストラを配したモダンな編曲と感情に寄り添う歌詞が広く支持された。制作の詳細は情報不明。

坂本九の録音は1963年、Sukiyakiの題で米国Billboard Hot 100首位を獲得し、日本語曲として初の快挙となった。以後、A Taste of Honeyや4 P.M. などがカバーし、ポップスやR&B、合唱など多様な編成へ拡散。映像作品やCMでの使用も多いが、一覧は情報不明。

本作は、日本語の歌が世界規模で支持を得た例として音楽史的評価が高い。旋律と言葉の親和性は翻訳や編曲に適し、教育現場や国際的なコンサートでも取り上げられる。配信時代にも再聴が進み、スタンダードとしての地位を保つ。

悲しみと希望を端正な旋律に託した本作は、六八コンビの代表作であり、日本発ポップスの金字塔。簡潔な言葉と確かな作曲が普遍性を支え、いまも多様な形で歌い継がれている。