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I Started A Joke

  • 作曲: GIBB BARRY ALAN,GIBB MAURICE ERNEST,GIBB ROBIN HUGH
#洋楽ポップス
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I Started A Joke - 楽譜サンプル

I Started A Joke|歌詞の意味と歴史

基本情報

I Started A Jokeは、バリー、モーリス、ロビンのギブ兄弟によるビー・ジーズのバラード。作曲者はGIBB BARRY ALAN, GIBB MAURICE ERNEST, GIBB ROBIN HUGH。1968年発表のアルバム『Idea』に収録され、後にシングルとしても広く知られるようになった。象徴的なリード・ボーカルはロビン・ギブ。豊かなストリングスと穏やかなテンポが内省的な歌詞世界を支え、グループの初期を代表する名曲として位置づけられている。制作の詳細な録音場所やセッションの全容は情報不明だが、同時期の作品群と同様にバンドとオーケストレーションの融合が特徴である。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す「冗談を始めたつもりが、世界を泣かせてしまった」という逆説的なイメージを軸に、誤解、孤独、自己省察が重層的に描かれる。主人公は軽い行為が思わぬ波紋を呼ぶ不条理を前に、やがて自責と気づきへ到達する。この流れは、ロビン・ギブの震えるような歌唱と、静から動へとわずかに膨らむダイナミクスの設計によって強調される。明確な物語説明よりも比喩とコントラストで感情の輪郭を示す作法は、60年代後半のポップに顕著な内面志向を体現。救済や赦しの解釈は聴き手に委ねられ、普遍的な共感を生む。

歴史的背景

1967〜68年のビー・ジーズは、ハーモニー重視のポップから、バロック的編曲を取り入れた内省的バラードへと進化していた。I Started A Jokeはその文脈にあり、ストリングスとリズム・セクションの抑制的な配置、メロディの陰影、ラストに向けての感情的高まりが、当時の英国ポップ/ソフト・ロックの潮流と呼応する。アルバム『Idea』は多彩な作風を含むが、本曲はその中でも最も感情表現が先鋭化した一曲として位置づけられ、国際的なヒットを通じてビー・ジーズの表現幅を広く印象づけた。

有名な演奏・映画での使用

オリジナルのビー・ジーズ版に加え、後年まで多数のアーティストがカバー。中でもFaith No Moreによる重厚なアレンジのカバーは、原曲の哀感を別角度から強調した例として知られる。映像分野では、映画『スーサイド・スクワッド』の予告編で、静謐なカバー・バージョンが使用され話題を集めた。メロディの記名性と歌詞の普遍性が、シーンの情緒を増幅させる素材として重宝され、ドラマやドキュメンタリー的文脈でも引用例が見られる(個別作品名の網羅は情報不明)。

現代における評価と影響

本曲は、失意や孤独の感情を繊細に可視化する作品として、世代やジャンルを超えて参照され続けている。シンプルなコード進行と印象的な旋律は、カバーやアレンジの自由度を高め、シンガー主導の解釈に適した“歌の器”としての強度を示す。ストリーミング時代においてもプレイリスト文脈で再発見され、バラードの作曲・プロダクションにおけるミニマルとドラマの両立の好例として、アーティストやプロデューサーから評価を得ている。

まとめ

I Started A Jokeは、比喩的な歌詞と抑制の効いた編曲、ロビン・ギブのエモーショナルな歌唱が結晶した名曲である。1968年の時代性を刻みつつ、いまなお心情表現の普遍性で聴き手を惹きつけ、音楽・映像の双方で生き続けている。