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It's All In The Game

  • 作曲: DAWES CHARLES G
#洋楽ポップス
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It's All In The Game - 楽譜サンプル

It's All In The Game|歌詞の意味と歴史

基本情報

「It's All In The Game」は、米国の政治家でもあったCharles G. Dawesが1911年に書いたピアノ曲「Melody in A Major」を原曲とし、1951年にCarl Sigmanの詞が付いて誕生したポップ・バラード。1958年、トミー・エドワーズの再録音が全米1位となり、以後ポップ・スタンダードとして定着した。穏やかな旋律線と分かりやすい和声進行が特徴で、世代やジャンルを超えて歌い継がれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、恋愛には喜びと涙が表裏一体で存在し、それらすべてが“ゲーム”の一部だと受け止める達観を軸に展開する。相手とのすれ違い、仲直り、関係の揺れ戻しといった日常的な情景が、やさしい語り口で描かれ、最終的には希望へと回収される。直接的な説得よりも、経験に裏打ちされた諦観と包容が魅力で、シンプルな言葉選びが普遍性を生んでいる。

歴史的背景

原曲は20世紀初頭のサロン風小品として書かれ、戦後のポピュラー音楽産業の成熟とともに、歌ものとして再発見された。1951年の発表で広く知られるようになり、1958年の再録版では時代の空気を反映した洗練された編曲が施され、ラジオとシングル市場を通じて一気に大衆化。作曲者が後に米国副大統領を務めたという異色の来歴も、話題性を後押しした。

有名な演奏・映画での使用

決定的名演としてはトミー・エドワーズ(1958年)が挙げられる。ほかにナット・キング・コール、クリフ・リチャード、フォー・トップス、ヴァン・モリソンらが各時代の語法で取り上げ、バラードからR&B、ジャズ寄りの解釈まで幅広い録音が存在する。映画・ドラマでの使用事例は散発的に見られるが、代表作の特定は情報不明。

現代における評価と影響

今日では、クロスオーバー可能なスタンダードとして、ヴォーカルの解釈力やフレージングを学ぶ教材的な価値も高い。歌詞のメッセージ性が強すぎず、メロディが前面に出るため、編曲次第でレトロにもモダンにも化ける柔軟さを持つ点が評価される。配信時代においても、カバーやプレイリストでの露出は途切れず、再発やベスト盤で継続的に再発見されている。

まとめ

「It's All In The Game」は、古典的な旋律美に普遍的な恋愛観を重ね合わせた、20世紀ポップ史の象徴的楽曲である。1911年の器楽曲に1951年の詞が宿り、1958年のヒットで国民的定番へ。時代やジャンルを越えて歌い継がれる理由は、そのシンプルさと包容力にあると言える。