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It's Not Unusual

  • 作曲: MILLS GORDON,REED LES
#洋楽ポップス
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It's Not Unusual - 楽譜サンプル

It's Not Unusual|歌詞の意味と歴史

基本情報

1965年に発表された「It's Not Unusual」は、ウェールズ出身の歌手トム・ジョーンズのブレイクとなったシングル。作曲はゴードン・ミルズとレズ・リード。英国ではデッカ、米国ではパロットから発売され、UKシングルチャート1位、米ビルボードHot 100でもトップ10入りを果たした。ブラスが前面に出た華やかなアレンジと力強いボーカルが特徴で、彼の代表曲として広く知られる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、恋愛の喜びや嫉妬、片想いの切なさを平易な語り口で描く。誰かを好きになること、愛されることは「珍しくない」としながら、目の前で相手が別の誰かといると胸が痛むという感情の二面性を表現。自己憐憫に沈まず、感情をストレートに吐露する姿が普遍性を持ち、世代を超えて共感を呼んできた。

歴史的背景

当時のロンドンではモッズ文化やR&Bの人気が高まり、ポップとソウルの要素を融合したダンサブルな楽曲が支持を集めていた。本曲もその潮流に乗り、強靭なリズムとブラス・サウンドで時代性を捉えた。リリース前には歌手サンディ・ショウがデモを録音し、彼女の推しもヒットの後押しになったとされる。トム・ジョーンズのスター街道を決定づけた一曲である。

有名な演奏・映画での使用

ライブではオープニングを飾る定番曲として度々演奏され、観客の合唱を誘う。映像では、米ドラマ「ベルエアのフレッシュ・プリンス」でキャラクター、カールトン・バンクスの“カールトン・ダンス”の象徴曲として定着。また映画「マーズ・アタック!」ではトム・ジョーンズ本人が登場し、本曲で観客を沸かせる場面が知られる。広告やスポーツ会場での使用例も多い。

現代における評価と影響

印象的なホーン・リフとキャッチーなメロディは現在も高い認知度を誇り、ポップスの定番としてストリーミングやカラオケでも人気。多様なアーティストによるカバーやサンプリングの素材としても用いられ、テレビ番組のBGMやSNS動画の楽曲選びでも強い存在感を示す。トム・ジョーンズの“代名詞”として、彼の歌唱スタイルの原点を示す重要作と評価される。

まとめ

「It's Not Unusual」は、時代の空気を捉えたサウンドと普遍的な恋愛感情の描写が結びついたポップ・アンセム。1965年のヒットから半世紀以上を経ても、ライブや映像文化の中で活力を保ち続けている。作曲者レズ・リードとゴードン・ミルズの職人的ソングライティングと、トム・ジョーンズの豪放なボーカルが生んだ不朽の名曲である。