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I've Got A Pocketful Of Dreams

  • 作曲: MONACO JAMES V JIMMY
#洋楽ポップス
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I've Got A Pocketful Of Dreams - 楽譜サンプル

I've Got A Pocketful Of Dreams|歌詞の意味と歴史

基本情報

「I've Got A Pocketful Of Dreams」は、作曲家James V. Monaco(Jimmy Monaco)による1938年のポピュラー・ソング。作詞はJohnny Burke。パラマウント映画『Sing You Sinners』(1938年)でビング・クロスビーが歌い、作品とともに広く知られるようになった。軽快なメロディと覚えやすいフックが特徴で、当時のラジオや映画音楽の文脈で親しまれたヒット曲として位置づけられる。正式な日本語題は情報不明だが、原題での認知度が高い。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、物質的な豊かさよりも「夢」を携える心の余裕と希望を重んじる前向きなメッセージで構成される。たとえ財布が軽くても、ポケットいっぱいの夢がある—という比喩で、日々の不安を明るい展望へと転換する発想を提示。浮き立つような旋律と相まって、聴き手に楽天性と自己肯定感をもたらす。具体的な物語の起伏より、人生観を軽やかに歌い上げるタイプの歌詞で、過度な感傷を避けつつ幸福感を共有する設計がなされている。

歴史的背景

公開当時の1938年は大恐慌の記憶がなお色濃く、映画とラジオが大衆の慰撫と娯楽の中心だった。ハリウッドの音楽映画は、明るいメッセージとキャッチーな曲で観客を惹きつけ、同曲もその潮流の中で生まれた。Monacoは映画界で活躍した作曲家で、Burkeは機知に富む言葉遣いで知られる作詞家。スター歌手ビング・クロスビーの柔らかな声質とムードは、曲の楽観主義を自然に体現し、当時の聴衆の気分に合致したことが普及に寄与した。

有名な演奏・映画での使用

最も広く知られるのは、映画『Sing You Sinners』でのビング・クロスビーの歌唱である。スクリーンでの披露を起点に、ラジオ放送やレコードでも人気を博し、クロスビーの代表的なレパートリーの一つとして語られることが多い。映画以外での具体的な使用や、他アーティストの著名録音の網羅的リストは情報不明だが、当時のポピュラー・ソングとして幅広い場面で演奏されたことは確かである。

現代における評価と影響

今日では、戦前アメリカの明朗なポピュラー・ソングの典型例として参照されることが多い。簡潔な構成と覚えやすい旋律は、クラシックな歌唱スタイルやスウィング寄りの伴奏にも適合し、古き良きハリウッドの楽観主義を象徴する楽曲として再評価されている。レトロ志向のプレイリストや映画音楽史の文脈でも取り上げられ、時代を超えて“前向きであること”の価値を体現するナンバーとして存在感を保っている。

まとめ

「I've Got A Pocketful Of Dreams」は、MonacoとBurkeのコンビによる1938年の名曲。映画でのクロスビーの歌唱を経て広く浸透し、夢と楽観を掲げる普遍的メッセージで長く愛されてきた。華美ではないが記憶に残る旋律と、時代を超える前向きさが魅力。映画音楽と大衆歌の黄金期を理解するうえで外せない一曲と言える。