Kiss Of Fire

#洋楽ポップス

Kiss Of Fire - 楽譜サンプル

『Kiss Of Fire』は、アンヘル・ビジョルド作曲のタンゴ「El Choclo」を原曲とする英語版。英語詞はLester AllenとRobert Hillによる。初出年や初演の詳細は情報不明。ジャンルはタンゴ／ポップで、歌唱付きの楽曲として広く親しまれている。

歌詞は、燃える口づけに抗えず身も心も焦がす情熱を描く。炎の比喩が反復され、陶酔と危うさ、執着と赦しが同居する世界観が核。語り手は破滅を予感しつつも相手に屈服し、快楽と運命に身を委ねるドラマが中心に据えられている。

背景にはブエノスアイレスのタンゴ文化がある。原曲「El Choclo」は20世紀初頭から愛奏され、後年に英語詞が付いて国際的なポップ・ナンバーとして流通した。戦後のアメリカでは“南米の情熱”を象徴する曲として受容が広がったが、英語版成立年や初録音の厳密な年次は情報不明である。

代表的録音にはGeorgia GibbsやTony Martinのヴォーカル版、Louis Armstrongの独自解釈が挙げられる。タンゴ楽団のインスト版も多く、ダンスホールで長く親しまれた。映画での具体的使用例は情報不明だが、舞台やショウでの採用は少なくない。

今日でも、クラシックなタンゴの旋律とポップの親しみやすさを併せ持つ曲として評価され、歌手のレパートリーやクロスオーバー企画に頻繁に登場する。アレンジ次第で妖艶にも劇的にも変わり、タンゴ入門曲としても定番的地位を保っている。

総じて『Kiss Of Fire』は「El Choclo」を英語圏へ橋渡しした代表曲であり、情熱的な歌世界と官能的リズムが普遍的な魅力を放つ。初出年や映像使用の詳細は情報不明ながら、世代を超えて演奏され続けるスタンダード性は揺るがない。