あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

Lady D'Arbanville

  • 作曲: STEVENS CAT
#洋楽ポップス
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Lady D'Arbanville - 楽譜サンプル

Lady D'Arbanville|歌詞の意味と歴史

基本情報

Cat Stevens(作曲・作詞:STEVENS CAT)による1970年の楽曲。アルバム『Mona Bone Jakon』に収録され、同年にシングルとしても発表され全英シングルチャート8位を記録。アコースティック・ギターとパーカッションを中心にした編成が基調で、乾いた打楽器と繊細なボーカルのコントラストが印象的。プロデュースはPaul Samwell‑Smith。

歌詞のテーマと意味

歌詞は恋人に語りかける一人称で、彼女を“眠り”“冷たさ”といった死のイメージに重ね、愛情の消失や疎遠化を嘆く。直接の死を扱うというより、関係の終焉を象徴化する表現が核にある。モデルのPatti D'Arbanvilleに着想を得た曲として広く知られ、私小説的な視点が普遍的な喪失感へと昇華されている。過度な叙情に溺れず、淡々とした語り口で感情を深める点が特徴。

歴史的背景

Stevensは1968年の重病と長期休養を経て音楽性を刷新。ポップ色の強い初期作から、内省的なフォーク志向へと舵を切った。復帰作『Mona Bone Jakon』ではPaul Samwell‑Smithと組み、ギタリストのAlun Daviesらとミニマルな編成で録音。本曲はその新機軸を象徴するナンバーで、続く『Tea for the Tillerman』期の成功へとつながる重要な布石となった。

有名な演奏・映画での使用

Yusuf / Cat Stevens名義を含む自身のコンサートで長年レパートリーとして演奏され、ライブ音源・映像にもたびたび収録されている。著名アーティストによる決定的なカバーについては情報不明。映画・ドラマ等での顕著な使用例も情報不明だが、ラジオやプレイリストでは定番曲として親しまれ続けている。

現代における評価と影響

初期70年代シンガー・ソングライター潮流を代表する一曲として評価が定着。繊細なメロディと、ラテン風パーカッションを取り入れたアコースティック・アレンジの融合が独自性を生む。歌詞の象徴性と節度ある感情表現は、後続の英国フォーク/ポップ系アーティストにも影響を与えたとされ、現在もストリーミングやベスト盤で安定した支持を獲得している。

まとめ

『Lady D'Arbanville』は、私的な喪失を寓話化した詞世界と、簡素で緊張感ある伴奏が響き合うCat Stevensの代表作。1970年の転機を刻む重要曲であり、時代を超えて聴き継がれている。映画での使用や主要カバーの詳細は情報不明だが、楽曲そのものの強度が評価を支え続けている。