Let 'Em In
- 作曲: MCCARTNEY LINDA LOUISE,MCCARTNEY PAUL JAMES

Let 'Em In - 楽譜サンプル
Let 'Em In|歌詞の意味と歴史
基本情報
Let 'Em In は、ポール・マッカートニーとリンダ・マッカートニーが作曲し、ウイングス名義で1976年に発表されたシングル。アルバム「Wings at the Speed of Sound」収録曲で、英国2位・米国3位のヒットを記録した。行進風のスネア、ドアベルの効果音、堂々としたホーンとピアノのリフが織りなす、親しみやすいポップ・ロックのサウンドが特色で、反復性の高い構成が耳に残る。
歌詞のテーマと意味
歌詞は「訪ねてきた人を迎え入れよう」という呼びかけが反復され、複数の人名が次々に挙げられる構図で進む。家庭的で開かれた姿勢、門戸を広げて多様な人々を受け入れる態度を軽やかに示す内容として広く受け止められている。一方、列挙される人名が具体的に誰を指すか、各名の意図や象徴性についての確定的根拠は情報不明で、解釈には幅がある。
歴史的背景
ビートルズ解散後の中期ウイングスは世界的成功期にあり、本作もその勢いを象徴する一曲。バンド全員に見せ場を配した「Wings at the Speed of Sound」においても、親しみやすいフックと大衆性を備えた本曲はラジオ映えする存在だった。ホームグルーヴ的な温かさとブラスの華やかさは、70年代半ばのポップスが持つ包容力をよく体現している。
有名な演奏・映画での使用
ソウル歌手ビリー・ポールによる1977年のカバーは、原曲の普遍性をフィリー・ソウルの質感で再解釈した例として知られる。テレビ出演や各地のライブでの演奏例は多く、カバーバンドの定番曲としても親しまれる。一方で、特定の著名映画での中心的な使用については情報不明で、網羅的な映像使用の記録も情報不明である。
現代における評価と影響
シンプルなコード進行に反復とブラスを重ねる設計は、ポップと行進曲的グルーヴの橋渡しとしてしばしば言及される。オールディーズ系のラジオやストリーミングのプレイリストでも存在感が継続し、入門者にも届く開放感の象徴曲として評価が定着。作曲家マッカートニーのメロディ感覚と編曲の妙を示す教材的な一曲とされることが多い。
まとめ
耳に残る呼びかけ、家族的な温もり、普遍的なメロディ。Let 'Em In は、70年代ポップの明るさと包容力を凝縮した楽曲である。確かなヒット実績と今なお続く支持が、その価値を現在まで裏づけており、ウイングス期のマッカートニーを象徴する重要曲として位置づけられる。