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Let It Be Me (Je t'appartlens)

  • 作曲: BECAUD GILBERT FRANCOIS LEOPOLD
#洋楽ポップス
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Let It Be Me (Je t'appartlens) - 楽譜サンプル

Let It Be Me (Je t'appartlens)|歌詞の意味と歴史

基本情報

Let It Be Me(フランス語原題:Je t’appartiens)は、作曲家ギルベール・ベコー(Gilbert Bécaud)によるバラード。1955年にフランス語詞(作詞:ピエール・ドラノエ)で発表され、その後マンニー・カーティスによる英語詞でLet It Be Meとして広く知られるようになった。ジャンルはシャンソンに根差したポップ・バラード。感情の高ぶりを旋律で導くベコーらしいドラマ性が特徴で、言語や時代を超えて歌い継がれている。

歌詞のテーマと意味

タイトルの原義は仏語で「私はあなたのもの」、英語題は「私を選んでほしい」という願い。歌詞は、相手への一途な献身と、関係の継続を切実に求める心情を、穏やかな語り口と高揚するサビの対比で描く。日常の幸福を守りたいという小さな祈りと、永遠を誓う大きな決意が同居し、恋愛歌でありながら普遍的な“受容と信頼”の物語として響く。具体的な情景描写は抑制的で、余白の多さがリスナーに自身の体験を重ねさせる。

歴史的背景

1950年代のフランスでは、シャンソンが戦後の感性を受け止める表現として成熟。ベコーはメロディ至上の劇的な作風で人気を博した。本作はその代表格で、英語化を経て米英圏のポップ・マーケットに橋渡しされた。英語版Let It Be Meが登場すると、フランスの情感とアメリカン・ポップの洗練が交差し、バラードの国際的レパートリーとして定着していく。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音として、The Everly Brothersの英語版がエポックを作り、以降のカバー・ブームに火を付けた。エルヴィス・プレスリーは1970年のライヴ音源で取り上げ、壮麗なコーラスとともにダイナミックな再解釈を示した。ボブ・ディランもアルバムでカバーし、素朴な歌声で楽曲の普遍性を強調している。映画での使用については情報不明。

現代における評価と影響

Let It Be Meは、原曲のシンプルな和声進行と息の長い旋律が、歌唱力と解釈の違いを受け止める“器”として機能するため、世代やジャンルを超えて選ばれる。ポップス、フォーク、カントリー、ジャズ寄りのアレンジまで親和性が高く、コンサートの定番バラードとして定着。配信時代でもストリーミングや動画プラットフォームで新録が継続し、スタンダードとしての地位を維持している。

まとめ

Je t’appartiens/Let It Be Meは、フランス発の情感と英語圏のポップ感覚を結びつけた20世紀バラードの金字塔である。献身と選択をめぐる普遍的テーマ、歌い手の個性を引き出す旋律美、そして数多の名唱が、時代を越えた価値を裏づける。詳細な映画使用は情報不明ながら、音楽史における存在感は明白だ。