Chameleon
- 作曲: HANCOCK HERBIE, JACKSON PAUL, MASON JR HARVEY W WILLIAM, MAUPIN BENNIE
#スタンダードジャズ

Chameleon - 楽譜サンプル
Chameleon|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Chameleon」はハービー・ハンコック、ベニー・モーピン、ポール・ジャクソン、ハーヴィー・メイソン共作のインストゥルメンタル。1973年『Head Hunters』初出で歌詞はない。シンセ・ベース、クラヴィネット、エレピ、サックス、ドラムスを核にした電化サウンドが特色。
音楽的特徴と演奏スタイル
強靭な反復ベースリフを土台に、16分ファンク・グルーヴとジャズ即興が融合。モーダル志向の和声上で、クラヴィネットのカッティングとキーボード・ソロがコール&レスポンスを形成する。ブレイクダウンとビルドアップを巧みに配し、長尺でも緊張感を持続させる。
歴史的背景
70年代初頭の電化ジャズの只中で、ハンコックは実験的なMWANDISHI期からグルーヴ重視へ転換した。その象徴が本曲で、ファンク/R&Bのダンス感覚をジャズの即興語法に接続。収録アルバムは大きな商業的成功を収め、クロスオーバー拡大の起点となった。
有名な演奏・録音
基準となるのは1973年のオリジナル録音。以後もライヴでテンポやフォームを変えつつ再演され、日本公演盤『Flood』(1975)では長尺の即興と展開が味わえる。小編成からビッグバンドまでカバーが多く、音楽教育のアンサンブル教材としても定着した。
現代における評価と影響
本曲はジャズ・ファンクを象徴するレパートリー。シンセ・ベース中心の音像、リフ主体のミニマル設計、即興とダンス・グルーヴの両立は、クラブ・ジャズやネオ・ソウル以降の感性とも親和し、今日まで演奏家とリスナーに強い影響を与え続ける。
まとめ
反復リフの推進力、電化鍵盤の色彩、緻密なフォーム設計が結びつき、時代を超える普遍性を獲得。ジャズとファンクの交差点を体感できる一曲であり、奏者にはグルーヴとインタラクションを学ぶ格好の教材でもある。