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I Can't Give You Anything But Love

  • 作曲: MC HUGH JIMMY
#スイング#スタンダードジャズ
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I Can't Give You Anything But Love - 楽譜サンプル

I Can't Give You Anything But Love|楽曲の特徴と歴史

基本情報

1928年発表のジャズ・スタンダード。作曲はジミー・マクヒュー、作詞はドロシー・フィールズ。ブロードウェイのレビュー「Blackbirds of 1928」で紹介され、以後スウィングからモダンまで幅広く愛奏されてきた。32小節AABA形式の代表曲で、歌唱・器楽ともに定番。

音楽的特徴と演奏スタイル

メロディは平易な語り口と印象的な跳躍音を併せ持ち、ブルース由来の感覚がにじむ。和声は循環進行とII–V–Iが中心で、ターンアラウンドも明快。テンポはミディアム・スウィングからバラードまで可変で、スキャットやコール&レスポンス、4バース交換など即興の展開が作りやすい。

歴史的背景

20年代末のレビュー文化とダンス・バンドの隆盛が普及を後押しした。楽曲の普遍的なメッセージ性と歌いやすさ、バンドでの扱いやすいフォームが相まって、アメリカの歌本や教本に定着。戦前から戦後にかけて、クラブ、ラジオ、レコードを通じてスタンダード化した。

有名な演奏・録音

代表的な録音として、ルイ・アームストロング(1929)、ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリ(1938)が知られる。さらにビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーンほか多くの歌手が取り上げ、インスト面ではベニー・グッドマンやモダン派のソロイストも名演を残した。

現代における評価と影響

現在もセッションの常用曲で、AABA構成、スウィング・フィール、ボーカル伴奏の基礎を学ぶ教材として重宝される。キー設定やイントロ/エンディングのバリエーションが豊富で、アレンジの自由度が高い点も評価の理由。多言語の歌詞版や器楽アレンジが流通し、世代を超えて演奏され続けている。

まとめ

「I Can't Give You Anything But Love」は、端正なフォームと覚えやすい旋律、即興に適した和声がそろった永続的レパートリー。初演以来の歴史を背景に、歌と器楽の双方で光る一曲として、これからジャズを学ぶ人にも、現場の実践曲としても最適だ。