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Moving Out

  • 作曲: ROLLINS SONNY
#スタンダードジャズ
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Moving Out - 楽譜サンプル

Moving Out|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Moving Outは、テナーサックス奏者ソニー・ロリンズ(ROLLINS SONNY)作曲のインストゥルメンタル。プレスティッジから出た同名アルバム『Moving Out』に収録され、1954年のセッションで初録音されたとされる。歌詞は存在せず、硬質で推進力のあるハードバップ語法が核となる。

音楽的特徴と演奏スタイル

主題は簡潔な動機で構築され、ロリンズ特有のモチーフ展開がアドリブ全体を貫く。オリジナル録音ではケニー・ドーハムのトランペットが前面に立ち、エルモ・ホープのコンピングとアート・ブレイキーのドライヴ感あるドラミングが緊張感を支える。典型的なヘッド–ソロ–ヘッドの構成。

歴史的背景

本作はビ・バップからハードバップへの過渡期に位置づけられるロリンズ初期の重要曲。ニュージャズの活況を見せた1954年前後のニューヨーク・シーンで、ロリンズはプレスティッジ期の録音を重ね、独自のリズム処理とフレージングを固めていった。その一端を示す楽曲がMoving Outである。

有名な演奏・録音

代表的音源はアルバム『Moving Out』(Prestige)での初演。参加メンバーはSonny Rollins(ts)、Kenny Dorham(tp)、Elmo Hope(p)、Percy Heath(b)、Art Blakey(ds)。以後の広く知られた再録や映画での使用情報は情報不明だが、再発盤やボックスで継続的に聴かれている。

現代における評価と影響

『Oleo』『Doxy』『St. Thomas』ほどの知名度こそないが、ロリンズの動機的即興とアンサンブルの緊密さを学ぶ教材として価値が高い。テナー奏者のレパートリーやジャズ教育の題材として取り上げられることがあり、ハードバップ期のサウンド設計を知る手掛かりとなっている。

まとめ

Moving Outは、初期ロリンズの鋭いリズム感と主題操作を凝縮した佳品で、ハードバップの骨格を体感できる一曲。決定的名演は初出音源で、編成・録音ともに当時の空気を鮮明に伝える。作詞・公開年など詳細の一部は情報不明ながら、楽曲自体の魅力は今も色褪せない。