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Driftin'

  • 作曲: HANCOCK HERBIE
#スタンダードジャズ
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Driftin' - 楽譜サンプル

Driftin'|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Herbie Hancock のデビュー作『Takin' Off』(Blue Note, 1962)で初披露されたインストゥルメンタル。作曲は HANCOCK HERBIE。編成はトランペット、テナーサックス、ピアノ、ベース、ドラムのクインテットで、歌詞はない。初演メンバーはフレディ・ハバード、デクスター・ゴードン、ハンコック、ブッチ・ウォーレン、ビリー・ヒギンス。題名の通り“漂う”感覚を持つ、親しみやすいメロディが魅力。

音楽的特徴と演奏スタイル

ミディアム・テンポのスウィングで、ブルース由来の語法と明快なモチーフ運びが核。管のユニゾン/ハーモニーで提示されるヘッドは休符を活かし、ソロはシンプルな和声進行上に十分な余白を持つ。ピアノはコンピングと単音リックを織り交ぜ、リズム隊はウォーキング・ベースと軽やかなライドで推進。初心者にも取り組みやすく、上級者にはニュアンスで勝負できる。

歴史的背景

1962年当時、ハンコックは若き才能としてブルーノートに迎えられ、本作はデビュー盤を象徴するオリジナルとなった。ハードバップからソウル・ジャズへ移る潮流の中、端正な構成と歌心を両立した筆致は、翌年のマイルス・デイヴィス参加へ続く飛躍を予感させる。クラブ現場で機能する中庸テンポの新曲としても需要が高く、本曲はその要請に合致した。

有名な演奏・録音

最重要の録音は『Takin' Off』収録のオリジナル・テイク。フロントのハバードとゴードンが瑞々しいテーマとソロを聴かせ、リズムはヒギンスのしなやかなタイムで全体を支える。その後も小編成コンボの定番曲として多く演奏され、教育現場やジャム・セッションでも選曲される。再発盤や配信で高音質の音源が入手可能。

現代における評価と影響

今日では“入門にも最適なジャズ・スタンダード”として広く認識され、メロディの扱い、スウィングの間合い、ブルース・ニュアンスの学習に有効とされる。配信や動画で多様な解釈が参照でき、若手の基礎練習からベテランの音色・タイム表現まで、幅広い層に演奏され続けている。

まとめ

Driftin' は、耳に残る旋律と演奏自由度の好バランスを備え、時代を超えて親しまれる理由を体現する一曲。まずはオリジナル録音を入り口に、テンポや編成を変えたアプローチを聴き比べ、ハンコックの作曲美学を味わいたい。