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Teenie's Blues

  • 作曲: NELSON OLIVER E
#コンテンポラリー#スタンダードジャズ
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Teenie's Blues - 楽譜サンプル

Teenie's Blues|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Teenie's Blues」は、サックス奏者・編曲家オリヴァー・ネルソン(作曲者表記: NELSON OLIVER E)によるインストゥルメンタルのブルース。初出は1961年、Impulse!から発表された名盤「The Blues and the Abstract Truth」の終曲。録音にはフレディ・ハバード、エリック・ドルフィー、ジョージ・バロウ、ビル・エヴァンス、ポール・チェンバース、ロイ・ヘインズらが参加し、室内楽的なアンサンブルとハードバップ後期の推進力を両立させている。

音楽的特徴と演奏スタイル

12小節ブルースの骨格を持ちつつ、ネルソン特有の緻密なホーン・ボイシングと対位法的フレーズが要所で響く。リフ中心のシンプルな主題から、各ホーン、ピアノ、リズムセクションへソロが受け渡され、ウォーキング・ベースとスウィングのグルーヴが全体を牽引。コール&レスポンスの配置やダイナミクスの明確な起伏により、ブルースの語法に洗練された色彩を与えている。

歴史的背景

1961年はモダン・ジャズがポスト・バップへ深化した時期で、作編曲の比重が高まった年代。「The Blues and the Abstract Truth」はその潮流を象徴するアルバムで、本曲はアルバム全体の構成を締めくくる役割を担う。即興の自由度とアレンジの設計美を融合させるネルソンの美学が簡潔なブルース形式に凝縮されている。

有名な演奏・録音

代表的音源はオリジナル録音で、アンサンブルの均整と各名手のソロが基準点としてしばしば参照される。後年のカバーやライヴの詳細な代表例は情報不明だが、小編成コンボのレパートリーとして取り上げられることがある。教育現場でも、ブルース形式とアレンジの相互作用を学ぶ素材として扱われる。

現代における評価と影響

同アルバムの「Stolen Moments」ほど一般的認知は高くないものの、端正な構成と実演の充実により、通好みの重要曲として評価されることが多い。12小節の枠内でサウンドを拡張する設計は、現代のジャズ作編曲においても示唆に富み、再発やストリーミングを通して継続的に聴かれている。

まとめ

簡潔なブルースに洗練を与えた「Teenie's Blues」は、オリヴァー・ネルソンの作編曲術と豪華メンバーの演奏力が結晶した一曲。初学者にも分析しやすく、上級者には表現の深みを示す、実用と鑑賞の両面で価値ある作品だ。