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Auld Lang Syne(ほたるの光)

  • 作曲: TRADITIONAL
#トラディショナル#キッズ
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Auld Lang Syne(ほたるの光) - 楽譜サンプル

Auld Lang Syne(ほたるの光)|歌詞の意味と歴史

基本情報

Auld Lang Syne(オールド・ラング・サイン)は、スコットランド伝承の旋律に、詩人ロバート・バーンズが18世紀末に採録・整理した歌詞を載せた伝統曲。日本では同旋律に別歌詞を付した唱歌「蛍の光」として広く知られ、式典や学びの締めくくりを象徴する存在です。英語圏では年越しの瞬間に人々が輪になって歌う習慣が定着しており、別れや新たな門出の情景を彩る“世界的スタンダード”として親しまれています。作曲は“TRADITIONAL”、作詞はバーンズ、初出年は情報不明。ジャンルは伝統的な民謡に位置づけられます。

歌詞のテーマと意味

タイトルの“Auld Lang Syne”はスコットランド語で“昔の良き日”“久しい昔”の意。歌詞は、時の流れの中でも友情や連帯が消えないことを確かめ合い、杯を交わして再会と継続する絆を祝う内容です。懐旧と感謝、そして未来への希望が核となり、別れの歌でありながら温かい余韻を残すのが特徴。日本の「蛍の光」は同旋律ながら学びや別れを主題にした独自の歌詞で、原曲の“旧友との団欒”という焦点とはニュアンスが異なります。どちらも“節目を言葉と歌で確かめる”文化的機能を担い、場を和らげて次章へと橋渡しする楽曲です。

歴史的背景

バーンズは民謡・民詩を蒐集し、その中でAuld Lang Syneの詞を記録・整序しました。やがて旋律と結び付いて広まり、19〜20世紀には英語圏の年越し行事で不可欠の存在に。とりわけ北米ではダンス・バンドの演奏が大晦日の定番となり、一般家庭にまで習慣化しました。日本では明治期に学校唱歌として導入され、学年末や卒業式、閉店時のBGMとしても定着。共通するのは“節目”の歌という機能で、地域ごとの文化に合わせて用途が拡張されていきました。

有名な演奏・映画での使用

英米圏ではダンス・バンドやブラス、合唱編成まで多様なアレンジが存在。特に米国ではガイ・ロンバード楽団が大晦日の中継で定番化させたことで知られます。映画では『素晴らしき哉、人生!』のクライマックスや『恋人たちの予感』の年越しシーンなど、友情や再会の瞬間を強調する象徴的楽曲として効果的に用いられてきました。器楽版も盛んで、オーケストラ、合唱、ケルト系の伝統楽器による演奏まで幅広く、季節アルバムやホリデー企画のハイライトを担います。

現代における評価と影響

今日のAuld Lang Syneは、言語や国境を越えて“別れと出発”を共有する共通言語のような存在です。ポップスからクラシック、ケルト、ジャズまで解釈は多彩で、テンポや和声を変えるだけでノスタルジックにも祝祭的にも表情を変えます。日本では「蛍の光」として教育現場や式典に根づき、商業施設の閉店BGMという独自の文化も形成。グローバルには年越しのライブや配信イベントで必ずと言ってよいほど取り上げられ、世代を超えて“歌って共有する儀式”を支えています。

まとめ

Auld Lang Syne(ほたるの光)は、昔日と友情を讃える歌詞と、誰もが歌える親しみやすい旋律によって、世界各地の“節目”を結び直してきた伝統曲です。原曲は旧友との絆、日本版は学びの締めくくりと、用途は異なれど“感謝と連帯”という核は共通。映画・式典・街の音風景にまで浸透するその存在感は、単なる年末の定番を超え、人々の記憶と儀礼を優しくつなぐ文化資産といえます。