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Shaw Nuff

  • 作曲: GILLESPIE DIZZY,PARKER CHARLES CHRISTOPHER JR
#スタンダードジャズ
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Shaw Nuff - 楽譜サンプル

Shaw Nuff|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Shaw Nuff は、ディジー・ガレスピーとチャーリー・パーカーによるビバップ期の代表的ジャズ・スタンダード。作曲者は「GILLESPIE DIZZY, PARKER CHARLES CHRISTOPHER JR」。発表年や初演の正確な記録は情報不明。一般に器楽曲として演奏され、歌詞情報は不明。リズム・チェンジ(I Got Rhythm 進行)を基盤にしたAABA形式の32小節で知られ、鋭いヘッドのユニゾンと高速テンポが特徴的なナンバーである。

音楽的特徴と演奏スタイル

冒頭のキレ味あるユニゾン・ヘッドは、トランペットとアルトサックスの緊密なインターロッキングが要。クロマチックな経過音、急速なシンコペーション、アウフタクトの多用など、ビバップ語法の教科書的要素が詰まっている。ソロはリズム・チェンジ特有の循環Ⅱ-Ⅴ進行上で展開し、ライン構築、着地の明確さ、テンポ維持の体力が試される。印象的なイントロ/アウトロのファンファーレも演出効果が高く、コンボでもビッグバンドでも映える。

歴史的背景

1940年代半ば、ニューヨークのミントンズや52丁目のクラブで形成されたビバップは、和声とリズムの刷新によって近代ジャズの礎を築いた。Shaw Nuff はその潮流の只中で生まれ、ガレスピーとパーカーのアンサンブル美学を象徴する楽曲となる。ビッグバンド分野では、ギル・フラーの編曲が広く知られ、コンボの熱量を大編成のダイナミクスに拡張する役割を果たした。

有名な演奏・録音

代表的なのは、ディジー・ガレスピーとチャーリー・パーカーが参加した1940年代半ばの録音で、以後の解釈の基準点として頻繁に参照されている。ガレスピーのハイノートとパーカーの流麗なラインが、楽曲のスピード感と語法を決定づけた。さらに、ガレスピーのビッグバンドによるライヴ演奏も定評があり、ヘッドのユニゾンとセクションのコール&レスポンスが楽曲の強度を際立たせる。

現代における評価と影響

Shaw Nuff は、リズム・チェンジ系スタンダードの難関として、ジャム・セッションや音大のレパートリーで定番化。速いテンポ下でのライン構築、ビートの推進、インタラクションの即応性など、現代ジャズに通底するスキルを鍛える最適教材とされる。アレンジ面でも、コンボからラージアンサンブルまで多様な編成に耐える柔軟性を持ち、今日なおステージで高頻度に取り上げられる。

まとめ

ビバップの核心を体現するShaw Nuff は、鋭利なヘッド、リズム・チェンジの和声設計、超高速の推進力が一体となった歴史的名曲である。初出年など一部情報は不明ながら、ガレスピーとパーカーの代表作として広く認知され、学習・実演の双方において標準曲の地位を保ち続ける。演奏者にとっては技術と語法を磨く格好の舞台、聴き手にとってはビバップのエッセンスを凝縮した一曲だ。