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First Light
- 作曲: HUBBARD FREDDIE

First Light - 楽譜サンプル
First Light|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Freddie Hubbard作曲のFirst Lightは歌詞を持たないインストゥルメンタル。初出は1971年、CTI Recordsの同名アルバムのタイトル曲。プロデュースはCreed Taylor、編曲はDon Sebesky、録音はRudy Van Gelder。なおアルバム『First Light』は1973年グラミー賞Best Jazz Performance by a Groupを受賞した。
音楽的特徴と演奏スタイル
温かなフリューゲルホルンの主旋律に、フェンダー・ローズ、ギター、ストリングスが重なる豊潤な音像が核。穏やかなテンポとモーダルな和声の上で、長いブレスの抒情的ソロが展開する。スウィングと現代的グルーヴの中間に位置する運びが、CTI期特有の洗練を際立たせる。
歴史的背景
1970年代初頭のCTIは、ジャズにオーケストレーションとポップ志向の音響を統合し、クロスオーバーの潮流を前進させた。ハードバップの精華を備えたHubbardが、より広い聴衆へ開かれた表現を獲得した局面に本曲は位置づく。大編成を用いながら即興の核心を保持する設計が時代性を示す。
有名な演奏・録音
代表的録音は1971年のオリジナル盤。タイトル曲はアルバムの中心に置かれ、エレクトリック・ピアノとギターのソロ、管とストリングスの交錯、堅実なリズム隊が魅力だ。再発やリマスターで入手しやすくなっている。その他の著名カバーや映画での使用は情報不明。
現代における評価と影響
First Lightは、アコースティックと電気的要素を精緻に調和させたCTIサウンドの象徴として評価される。落ち着いた音色と構築的なソロ運びは入門者にも馴染みやすく、愛好家には編曲美と即興の対話性が支持されてきた。後続への具体的影響の網羅情報は情報不明だが、アレンジと録音美は現在も参照点となっている。
まとめ
歌詞を持たない器楽曲ながら叙情性とスケール感を併せ持ち、Hubbardの多面的な資質を示す一曲。CTIの美学、精密な編曲、練達の即興が結晶した名演として、今なお鮮度を失わない。