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Velas (Velas Icadas)

  • 作曲: LINS IVAN GUIMARAES, MARTINS VITOR
#コンテンポラリー#スタンダードジャズ
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Velas (Velas Icadas) - 楽譜サンプル

Velas (Velas Icadas)|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Velas (Velas Icadas)」は、作曲家Ivan Linsと作詞家Vitor Martinsのコンビによる楽曲。原題はポルトガル語で「Velas Içadas」と表記されることがあり、英語圏では短縮して「Velas」と紹介される場合が多い。作者クレジットはLins(音楽)とMartins(歌詞)で確立しているが、初出年や初演盤については公開資料が分かれ、現時点で確定情報は情報不明。言語はポルトガル語だが、後年は器楽アレンジでも広く演奏されるようになった。

歌詞のテーマと意味

「Velas Içadas」は直訳すると「帆を上げた/掲げた」という意味。出港や旅立ちを想起させる言葉だが、歌詞本文の詳細は情報不明で、公式な対訳も統一された形では確認できない。一般にMartinsの作詞は比喩と詩的イメージに富み、人生の推進力や希望、変化を象徴的に描く作風で知られる。本曲もタイトルが喚起する海と航海のモチーフが核にあると受け取られることが多いが、決定的な解釈は版元資料やオフィシャルな注釈の提示に依存する。

歴史的背景

LinsとMartinsは1970年代以降のMPBを代表する名コンビで、多くの名曲を生み出した。本曲はブラジル国内での評価に加え、アメリカ音楽界にも波及。とりわけ1981年のQuincy Jones『The Dude』に収められたインストゥルメンタル版「Velas」が国際的に知られる契機となった。これにより、ポルトガル語の歌ものとしての系譜と、フュージョン/AOR文脈での器楽曲としての系譜が並走するユニークな歴史を持つに至った。

有名な演奏・映画での使用

代表例はQuincy Jonesによる「Velas」(1981)。洗練されたアレンジが評価され、同曲の国際的な知名度を大きく押し上げた。以後、各国のジャズ/フュージョン系アーティストによる器楽カバーが散見され、ライブ・レパートリーとしても取り上げられている。Ivan Lins自身のレパートリーとしても知られるが、初出音源や収録アルバムの特定は情報不明。映画やドラマでの使用例についても情報不明で、現時点で確証ある事例は示せない。

現代における評価と影響

「Velas (Velas Icadas)」は、MPBの芳醇な和声感と、米国AOR/フュージョンが好む滑らかなグルーヴの交差点に位置づけられる。歌ものとしての詩的世界観と、メロディの強度ゆえに器楽曲としても成立する点が評価の鍵である。国際的にはQuincy版で認知が拡大し、ブラジル音楽の作曲資産が英語圏のポップ/ジャズシーンに橋渡しされた代表的ケースとして語られることが多い。今日もカバーや再演の対象となり続けている。

まとめ

本曲は、ポルトガル語の歌世界とインストゥルメンタルの両面で楽しまれてきた稀有な楽曲である。詳細な初出情報は情報不明ながら、LinsとMartinsのコラボレーションの質を示す好例であり、Quincy Jones版を通じた国際的浸透も特筆に値する。詩的タイトルが示す出発と推進のイメージは、音楽的にも文化的にも広い共感を呼び、現在まで多様な解釈と演奏を生み出している。