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Eternal Child

  • 作曲: COREA CHICK
#スタンダードジャズ
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Eternal Child - 楽譜サンプル

Eternal Child|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Eternal Child」はチック・コリア(Chick Corea)によるインストゥルメンタル曲。初出は1988年、Chick Corea Elektric Bandのアルバム『Eye of the Beholder』収録。編成はキーボード、サックス、ギター、ベース、ドラムを中心とするフュージョン・クインテットで、歌詞は存在しない。調性や拍子の詳細は情報不明だが、抒情性の高いメロディが印象的で、アルバム内でも静謐さと温度感を併せ持つトラックとして際立つ。タイトルが喚起する“永遠の子ども”というイメージに通じる純度の高い旋律美が核にある。

音楽的特徴と演奏スタイル

最大の魅力は、歌うように浮かび上がる主題と、テンションを含んだ豊かな和声、そして微細なダイナミクス。コリア特有の流麗なヴォイシングが土台を作り、サックスやピアノが旋律を担うアレンジがよく知られる。エレクトリック鍵盤のパッドやクリーントーンのギター、歌心あるベース、繊細なドラムが広がりのあるサウンドスケープを形成。形式は主題提示—インプロヴィゼーション—再現—コーダといったジャズの定石に沿う設計(詳細は情報不明)。演奏の勘所は、音量のコントラスト、レガート主体のフレージング、サスティンとペダル(鍵盤)の扱いにある。

歴史的背景

1980年代後半のChick Corea Elektric Bandは、超絶技巧と緻密なアレンジを併せ持つフュージョン・サウンドで国際的に評価を高めた。1988年発表の『Eye of the Beholder』はその時期を代表する作品で、「Eternal Child」は構築的な楽曲群の中にあって抒情的側面を担う一曲として知られる。キーボード主導のハーモニック・デザインと、メロディ志向の書法が高次に結びついた作例であり、作曲家コリアの幅広い表現力を物語る。

有名な演奏・録音

代表的録音は、1988年のオリジナル・スタジオ版(アルバム『Eye of the Beholder』)。参加メンバーは、チック・コリア(Key)、エリック・マリエンサル(Sax)、フランク・ギャンバレ(Gt)、ジョン・パティトゥッチ(B)、デイヴ・ウェックル(Dr)。端正なメロディ提示と緻密な伴奏テクスチャの対比が際立ち、以後の解釈の参照点となっている。その他の公式な有名録音や映画等での使用については情報不明。

現代における評価と影響

今日、「Eternal Child」はチック・コリア作品の中でも旋律美が前景化した一曲として親しまれている。過度な技巧を誇示せず、和声の色彩感と歌心を前面に出す設計は、フュージョン/コンテンポラリー・ジャズの表現領域の豊かさを示す。流通や配信の詳細は情報不明だが、作品への関心は継続的に見られ、演奏家・リスナー双方にとって、音色設計やアンサンブルの呼吸を学ぶ上での好例となっている。

まとめ

Eternal Childは、1988年のChick Corea Elektric Band作品に収められた抒情的なインストゥルメンタル。歌う旋律、洗練された和声、繊細なダイナミクスが三位一体となり、エレクトリック期のコリアが到達した成熟を静かに物語る。初めて聴く人は、冒頭主題の音色バランスと終盤の余韻に注目すると、本曲の魅力がより鮮明に伝わるはずだ。