アーティスト情報なし
I've Got Your Number
- 作曲: COLEMAN CY
I've Got Your Number - 楽譜サンプル
I've Got Your Number｜楽曲の特徴と歴史
基本情報
『I've Got Your Number』は作曲家Cy Colemanが1962年のブロードウェイ・ミュージカル『Little Me』のために書いた楽曲。作詞はCarolyn Leigh。初演後まもなくショー・チューンの枠を越え、現在はジャズ・スタンダードとして広く演奏される。標準形式や原調は版により異なるため情報不明だが、中速スウィングでの解釈が一般的。
音楽的特徴と演奏スタイル
狡猾さと機知を描く内容に呼応し、粘りのあるスウィング感と鋭いブレイクの“押し引き”が要。クロマチックに動く和声やセカンダリー・ドミナントの連鎖が推進力を生む。ヴォーカルは言葉の畳みかけとアクセントの配置が肝で、やや遅めのテンポで語り口を際立たせる解釈も有効。インストではストップタイムとソロへの受け渡しが映える。
歴史的背景
『Little Me』はニール・サイモン脚本の風刺喜劇。コールマン／リーは同時期に『The Best Is Yet to Come』などを手がけ、都会派の語法を確立。本曲もその系譜にあり、舞台からクラブやテレビ歌番組へ広がり、1960年代以降のポップ×ジャズの接点を象徴するレパートリーとなった。
有名な演奏・録音
初出はブロードウェイ・オリジナル・キャスト録音（1962年）。スタンダード化を推し進めた例としてTony Bennettの録音が広く知られる。ほかにも多くのヴォーカリストやビッグバンドが取り上げるが、網羅的なディスコグラフィーやヒット指標は情報不明。映画での明確な使用例も情報不明。
現代における評価と影響
洒脱な言葉遊びと舞台的ドラマ性が評価され、オーディションやキャバレー、ジャズ・クラブの定番に定着。編成はコンボからビッグバンドまで適応しやすく、調性やエンディングのバリエーションも多い。教育現場ではディクションとスイング習得の教材としても用いられる。
まとめ
舞台発の曲がジャズ標準曲へ昇華した好例。演奏者にはダイナミクスと間合いを学べる素材、聴き手には都会的なユーモアとスリルを届ける一曲である。